レイプ事件相次ぐインド、タクシーアプリ「Uber」運転手がデリーで女性に暴行 Uberは営業停止処分

インドの首都デリーで12月5日夜、25歳の女性客をレイプした疑いでアメリカの配車アプリ「Uber(ウーバー)」と契約したタクシー運転手が逮捕された。

インドの首都デリーで12月5日夜、25歳の女性客をレイプした疑いでアメリカの配車アプリ「Uber(ウーバー)」と契約したタクシー運転手が逮捕された。

デリー警察が捜査を進めているが、インドでビジネスを急速に拡大してきたものの現地での管理をほとんど行っていなかったUberに対して疑問が次々と沸き上がっている。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、アメリカ・サンフランシスコに本部を置くUberはスマートフォンのアプリケーションでタクシーを手配できるサービスで、インドでは都市圏で若い会社員の間で利用され、現在ではインド11都市に拡大、海外では最も普及している国だ。

警察関係者がハフポストインド版の取材に答えたところによると、タクシー運転手のシヴ・クマール・ヤーダヴ容疑者(32)は、デリー市内でタクシーを運転するために必要な業務用IDカードを持っていなかった。Uberで6カ月以上運転していたが、1度も身分が確認されなかった。

事件が発覚したデリー北部のマデュラ・ヴェルマ副警視監の発表によると、ヤーダヴ容疑者は5日夜11時、Uber のアプリを使ってタクシーを予約した被害者の女性をデリー南部のバサント・ビハールで乗せ、自宅のあるデリー北部まで運転した。ヤーダヴ容疑者は、被害者の女性が眠ったことに気づいて人気のない場所まで車を走らせ、数時間後に目を覚ました彼女をレイプした。容疑者は女性の携帯電話の電源も切っていた。彼女が逃げようともがくと、ヤーダヴは鉄の棒を彼女の腹部に突き刺すと脅したという。2012年に走行中のバスの中で起きた少女の集団レイプ事件を思い起こさせるような出来事だ。

ヤーダヴに警察に通報したら殺すと脅された後、被害者は自宅近くでタクシーを降りた。タクシーが離れていくときに被害者はタクシーの写真を撮り、警察がヤーダヴを見つけ出す重要な手掛かりとなった。容疑者はタクシーを乗り捨て、地元のウッタル・プラデーシュ州マトゥラーに逃走したが、大規模な追跡の末逮捕された。

ヴェルマ副警視監は、「私たちは、全く手掛かりがない状況から捜査を始めた。Uberが、タクシーとドライバーの所在に関する情報をもっていなかったからだ」と述べた。

Uberに対して警告を促すことはこれまでなかったようだ。Uberは、Googleの投資部門「Googleベンチャーズ」を含む、アメリカの主要なベンチャー投資ファンドが設立した企業であり、規模は400億ドルである。

ヴェルマ副警視監によると、Uberはヤーダヴ容疑者の本籍地を知らず、また、現在の住所と携帯番号も確認していなかったという。

「彼らは適切な管理を怠っていた」とヴェルマ副警視監は述べ、事件発生後2〜3時間の間にUberのインド法人代表が捜査本部に情報を提供することができなかったことを説明した。この事件を捜査している警察は6日午前8時にUberのオフィスに到着していたが、その日の午前11時まで警察は何の情報も得られなかった。

Uberのスポークスパーソン、エブリン・タイ氏は、ハフポストインド版に寄せた声明文の中で、Uberは警察の捜査に対して全面的に協力していると述べた。「この事件の知らせを受けて、私たちのチームは現地当局に全ての関連情報を迅速に提供しました」とタイ氏は述べた。この情報には、ドライバーの名前、写真、免許の詳細、銀行で確認された住所などが含まれていた。またタイ氏によると、タクシー車両についての詳細や、被害者を乗せた場所や降ろした場所など、タクシーの行程に関するデータも提供されたという。

ヴェルマ副警視監によると、ヤーダヴ容疑者は業務用IDカードすら持っていなかった。このIDカードは、インドの首都圏でタクシーを運転する際に法律上必要なものである。

タイ氏は、会社がIDカードを確認していたかどうかについては言及を避けた。「インドでは、安全は最優先事項です。 Uberは日頃から、登録された嘱託運転手とだけ契約を交わします。商用免許の手続きを受けて政府発行のIDと州発行の許可証を持ち、全部営利保険に加入している嘱託運転手だけです」。

実際にアメリカでは、Uberはアメリカで、ホームページで見られるような厳しい身元調査を行っている。

現地のUberのオフィスには、運転手のGPSログ(GPS機能による行動記録)がなかった。そして警察には、全ての詳細情報はメインサーバーが設置されているニューヨークのオフィスにあると述べた。デリー警察はUberのインド法人に対し、要請に応じて引き続き捜査に協力するよう求めている。

「Uber は、GPSの行動記録と、コンピュータシステム上に全ての行程記録を保存していました。これらは当局と共有した情報です」と、タイ氏は述べた。「この犯罪を裁くために捜査を行っている当局に、これからも全面的に協力する予定です」。

しかし、全く違うルートを走っていた深夜ドライバーに対してUberのソフトウェア上からも、そして手動の操作でも警告が行われなかった理由について説明はなかった。

ヤーダヴ容疑者は8日、ティス・ハザリ裁判所に出廷し、警察で3日間の拘留を命じられた。ヤーダヴ容疑者は「私は間違いを犯した。どうすればいいのか」と供述しているという。

デリー市当局は8日、Uberに対して市内での営業禁止処分を命じた。これにより、市内でUberのサービスを利用したタクシーの往来には罰金が課され、車両の押収もありうると定められた。

この記事はハフポストインド版に掲載されたものを翻訳しました。

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