気象庁は4月13日午後、宮城県と山形県にまたがる蔵王山で小規模な噴火が発生する可能性があるとして、火口から1.2キロの範囲で大きな噴石への警戒を呼びかけた。これまでの噴火予報の「平常」から引き上げた。
蔵王山に火口周辺警報が発表されるのは、今回が初めて。
気象庁の発表は次の通り。
…………
火山名 蔵王山 噴火警報(火口周辺)
平成27年4月13日13時30分 仙台管区気象台
**(見出し)**
<蔵王山に火口周辺警報(火口周辺危険)を発表>
小規模な噴火の可能性。想定火口域から概ね1.2kmの範囲で警戒してく
ださい。
<噴火予報(平常)から火口周辺警報(火口周辺危険)に引上げ>
**(本 文)**
1.火山活動の状況及び予報警報事項
蔵王山では、御釜付近が震源とみられる火山性地震が増加しています。
蔵王山では今後、小規模な噴火が発生する可能性があります。想定火口域
(馬の背カルデラ)から概ね1.2kmの範囲では噴火に伴う弾道を描いて
飛散する大きな噴石に警戒してください。
2.対象市町村等
以下の市町村では、火口周辺で警戒をしてください。
宮城県:蔵王町、七ヶ宿町、川崎町
山形県:山形市、上山市
3.防災上の警戒事項等
想定火口域(馬の背カルデラ)から概ね1.2kmの範囲では噴火に伴う
弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。
また、風下側では火山灰や小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれ
があるため注意してください。
<噴火予報(平常)から火口周辺警報(火口周辺危険)に引上げ>
………
蔵王山では7日以降、火山性地震の回数が増えている。気象庁によると、12日は38回、13日も正午までに24回を観測したという。
蔵王山について、気象庁は5段階の噴火警戒レベルをまだ導入していないが、今回はレベル1から2に引き上げたのに相当する。蔵王山が最後に噴火したのは1940年4月で、小規模な水蒸気爆発による噴火があった。
NHKニュースによると、蔵王山の火山活動について研究している東北大学大学院地震・噴火予知研究観測センターの三浦哲教授は、「蔵王山は、去年9月に噴火した御嶽山と同じように、過去に水蒸気噴火を繰り返してきた火山であり、御嶽山と同じような規模で噴火が起きることも考えられる」と指摘しているという。
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