熊野古道に残る伝説の「円座石」から苔が消滅 誰かが削ったのか?

コケむした岩肌で親しまれていた熊野古道の名所「円座石」(わろうだいし)から、苔が消滅していることがわかった。

苔むした岩肌で親しまれていた熊野古道の名所「円座石」(わろうだいし)から、苔がなくなっていることがわかった。4月27日、朝日新聞デジタルなどが報じた。

円座石がある「大雲取越え」のコースは紀伊路ルート最高の難所として知られている。円座石は大雲取登り口から徒歩約20分の和歌山県新宮市内にあり、幅3.5m、高さ1.5mほどの大きさがある。

円座とは座布団のことで、熊野三山の神々がこの石に座って談笑したという伝説がある。石には熊野本宮を表す「阿弥陀仏」、新宮の「薬師仏」、那智の「観音仏」が、それぞれ梵字(ぼんじ)で刻まれており、以前はこの文字の部分のみが露出していた。

円座石は世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」のコアゾーン(登録資産)ではないが、バッファーゾーン(緩衝地帯)に含まれている。地元自治体の担当者も「人為的であれば、許し難い」と、困惑しているという。

苔が姿を消しているのがわかったのは昨年12月初旬。熊野古道の「語り部」が見つけ、田辺市本宮町の県世界遺産センターに届け出た。管理する新宮市教委に連絡があったのは今年2月ごろという。

市教委の文化財担当者は「前のように苔が生えるのはいつになるかわからない。人為的であれば、許し難い。文化財は大切にしてほしい」と話している。

熊野古道、名所の苔なくなる 原因不明、誰かが削った?:朝日新聞デジタル 2015/04/27)

■現地で撮影された写真

ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています

関連記事

注目記事