カナダの通信放送衛星を搭載し、打ち上げられるH2Aロケット29号機=24日午後、鹿児島県・種子島宇宙センター
日本のロケットとしては初めて民間企業から受注した人工衛星を載せたH2Aロケット29号機が、11月24日午後3時50分に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。毎日新聞などが報じた。打ち上げから4時間半後の午後8時すぎに衛星を切り離し、軌道に投入される予定だ。商業衛星の打ち上げの成功をさせることで、海外からの受注拡大を狙う。
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朝日新聞デジタルによると、今回のロケットには、カナダ・テレサット社の通信放送衛星「テルスター12・ヴァンテージ」を搭載している。商業衛星の受注をにらんでロケットには大きな技術改良が追加。従来は数百キロ上空でロケットから切り離され、衛星が自力で移動していたが、今回は衛星の負担が小さくなるよう、静止軌道に近い高度約3万4000キロまでロケットが衛星を運ぶという。
商業用衛星打ち上げの世界のシェアは、ロシアのプロトンが約半分、ヨーロッパのアリアンスペースが3割を占める。さらにイーロン・マスク氏が率いるアメリカの宇宙ベンチャーの「スペースX」も加わり、低価格ロケット輸送サービスによる、激しい価格競争を繰り広げている。H2Aロケットを製造する三菱重工の二村幸基執行役員フェローは「業界大手のテレサットの衛星を打ち上げることで認知度が上がり、今後の営業に弾みがつく」と期待している。
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H2Aロケットに搭載されたカナダ・テレサット社の通信放送衛星「テルスター12・ヴァンテージ」
■27分遅れで打ち上げ
今回は当初、午後3時23分の打ち上げを予定していたが、直前に安全管理区域内に船舶があることが分かりカウントダウンを中断。安全を確認した上で、27分遅れで打ち上げられた。
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