11月28日、イギリス・ロンドンのトラファルガー広場に女性たちが集まり、政府のドメスティック・バイオレンス(DV)関連予算削減に抗議した。
イギリス政府は緊縮政策を進めており、その一環としてDV関連予算を削減し、女性たちのシェルター(避難所)を閉鎖している。
DV予算削減に抗議する団体「シスターズ・アンカット」によれば、およそ500人の女性が抗議活動に参加した。なかには政府がこれまでに閉鎖したシェルターの数を掲げていた人もいた。
シスターズ・アンカットは10月に開催されたロンドン映画祭で抗議活動を行い、一躍注目を集めた団体だ。女性参政権獲得運動を描いた映画「Suffragette 」のプレミア上映で、メンバーの一部がレッドカーペットの上にあおむけになって抗議の意を表した。
ザラと呼ばれるメンバーは「今日はこれまでに抗議活動をしたことがなかった人たちが多く参加しました。この問題に強い共感を抱いているのです」インディペンデント紙に語った。
彼女は「DV予算の削減がどういった影響を与えるかは、時間が経たないとわからない」とも話している。
イギリスでは葬儀の際に花文字を作る習慣があるが、抗議活動の参加者も「ドメスティック・バイオレンス・サービス」という花文字を作って街を歩いた。
抗議活動の写真。緊縮政策は性差別、人種差別です。私たちは声をあげます。
活動家のルーシー・ストレンジ氏も「緊縮政策のせいで、女性の保護対策は危機に陥っている」というブログをハフポストUK版に寄せている。彼女はこう書いている。
「2010年に緊縮政策が始まってから、30を超えるドメスティック・バイオレンス施設が閉鎖されました。女性たちにとって暴力から逃れるための頼みの綱であり、知識や共感、希望、未来を与えてくれていた場所です」
「オズボーン財務相は、今後も緊縮政策を押し進めていくという残酷な宣言をしています。地方自治体の予算はさらに41億ポンド削減されました。中央政府が地方自治体に支払う補助金が56%削減されたことになります」
「地方自治体の予算削減は、間違いなくDV対策費用が減らされる結果になるのです」
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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