アメリカのタイム誌は12月9日、2015年の「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」に、ドイツのメルケル首相を選んだと発表した。
欧州の債務危機や中東などからの難民受け入れに対する行動力によって、「開かれたボーダーレスな欧州を維持、促進してきた指導力」を発揮したことが理由だ。パリの同時多発テロも加わって、欧州が排他的になりそうなとき、「メルケル氏がその都度、介入した」と評価した。
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「タイム」紙の表紙を飾るメルケル首相
「今年の人」は、タイム誌が1927年以来、「良くも悪くも、最もニュースに影響を与えた人」を選んでいる。2015年はアメリカ大統領選に名乗りを上げている不動産王ドナルド・トランプ氏や、過激派組織「イスラム国」(IS)の最高指導者アブバクル・バグダディ容疑者のほか、トランスジェンダーをカミングアウトした元オリンピック金メダリストのケイトリン・ジェンナーなどが候補に挙がっていた。
タイム誌のナンシー・ギブス編集長は、発表文で「人々が従いたくない局面でしか指導者は試されない」として、「大半の政治家よりも多くのことを自国に求め、暴政と安易な利己主義に対して断固たる姿勢で立ち向かい、世界でもまれな確固たる道徳的指導力を発揮したアンゲラ・メルケル氏が、タイム誌の今年の人だ」とコメント。「人間性や寛大さといったこれまでとは異なる価値を前面に打ち出し、ドイツが持つ強大な力を、どうすれば破壊ではなく救済のために使うことができるのかを示した」と称賛した。
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