ギリシャにある一時滞在キャンプでは、人口の過密が大きな問題になっている。
今、ギリシャで多くの移民や難民たちが足止めされている。
2月24日にバルカン半島諸国がウィーンで緊急会合を開き、国境規制の強化で合意したのが大きな原因だ。
ヨーロッパ北部を目指して、アフリカや中東から数千人の移民や難民が毎日ギリシャに流れ込んでいるが、ギリシャからマケドニアに入国できた人はわずかだ。国連は「ヨーロッパが自らが招いた人道的危機に瀕している」と警告した。
現在3万人ほどの移民・難民がギリシャに足止めされており、そのうち1万2000人が一時滞在キャンプにいるとロイターは伝えている。
移民・難民の数が膨れ上がり、ギリシャは社会的・経済的危機に直面している。大きな問題は、急速に進む食糧不足と過密状態にある一時滞在キャンプで高まる緊張だ。国境がほぼ完全に閉鎖されていることに抗議して、移民と難民は毎日反対デモをしているのだ。
ギリシャのツィプラス首相は、ギリシャには自力で危機を乗り切る能力がないことを改めて主張。「ギリシャやその他の国を、魂を持った人々を閉じ込める場所にしてはいけません。私たちは今、ヨーロッパの未来にとって重大な局面にいます」と発言している。
ギリシャとマケドニア国境近くにあるフェンスの後ろに立つ男性
ギリシャに足止めされている人々の多くはアフガニスタン人だ。バルカン半島諸国は最近まで、シリア、イラク、アフガニスタンから来た難民の国境通過を許可していた。しかし規制後は、アフガニスタン人は経済的移民と見なされ、入国を拒否されるようになった。
子供たちを乗せたベビーカーを押しながら、ギリシャとマケドニアの国境を渡る女性。
ドナルド・トゥスク欧州理事会議長は、ヨーロッパに入ってこようとしている人たち、特に経済移民に対して移動を控えるように強く呼びかけている。
「どこの国から来たかに関係なく、違法な経済移民でなるかもしれない全ての人々に訴えたい。ヨーロッパに来てはいけません。密入国請負業者を信じてはいけません。あなた方の命とお金を危険にさらすことになります」とトゥスク氏は訴えた。
2016年になってから、すでに約13万1000人の移民・難民がヨーロッパにやってきた。そのうち12万人近くがギリシャからの流入だ。そして2016年だけで、数百人が旅の途中で亡くなったり行方不明になったりしている。
ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。
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