日産自動車の韓国法人が現地販売しているディーゼル車が不正に排気ガスの量を操作していた疑いがあるとして、5月16日に韓国政府はリコール及び販売停止を命令した上で、韓国法人のトップを刑事告発する方針を発表した。日産自動車は不正を否定している。FNNニュースなどが報じた。
■日本名は「デュアリス」。高温になると排ガス装置が停止か
問題となった車は「キャシュカイ」という名前のSUV車。ルノー製のエンジンを積んでイギリスで生産し、日本では「デュアリス」の名前で発売されていた。フォルクスワーゲン社の排ガス不正が発覚したことを受けて、韓国環境省が、2015年12月から2016年4月までの間、国内で販売されたディーゼル車20車種を調査したところ、日産のこの車種のみ不正が見つかったという。
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発表によると、キャシュカイのエンジンは、窒素酸化物(NOx)の排出量を減らす「排ガス低減装置」が、エンジンの燃焼室が摂氏35度を超えると停止する設定になっていた。同省では有害物質の排出量試験にパスしつつ、燃費を良くするために、こうした設定をしたのではないかとみている。他の19車種では、同様の問題は確認されなかったという。
韓国環境省はすでに販売した814台のリコールと、販売停止命令を出す方針だ。関連法令に違反しているとして、現地法人のトップである菊池毅彦社長を大気環境保全法違反容疑で、ソウル中央地検に刑事告発する予定だ。
問題となった「デュアリス」は、日本ではディーゼル車を販売していない。朝日新聞デジタルによると、日産自動車広報は「違法、不正な機能を使用したことはなく、現在も使用していない」と不正を否定している。
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