アメリカ大統領選の共和党候補指名が確定した実業家ドナルド・トランプ氏は5月27日にカリフォルニア州サンディエゴで演説し、日本の核武装に対する自身の発言を巡って民主党のヒラリー・クリントン前国務長官の批判に反論した。毎日新聞などが報じた。トランプ氏は「(クリントン氏は)私が日本を核武装させたがっていると発言したが、私はそんなことは言っていない」とも述べた。
トランプ氏はこれまでの対話集会などで、北朝鮮に対する抑止力として日本の核兵器保有を容認する発言をしてきたが、徐々に発言内容を弱めている。
また、米国が日本や韓国など他国を防衛しているとし、安全保障面での費用負担に関して「彼らは支払うべき軍事費を負担していない」とこれまでと同様の批判を繰り返した。
(トランプ氏:日本に核容認「言っていない」 軌道修正図る - 毎日新聞より 2016/05/28 12:41)
これまでの対話集会などでトランプ氏は、「北朝鮮が核兵器を持っている以上、日本も持った方がいいのではないか」と独自の主張を展開してきた。この発言に対して、クリントン氏だけでなく、オバマ大統領も批判している。
トランプ氏の今回の発言は、民主党の指名獲得に大きく近づいているクリントン氏との対決を念頭に軌道修正を図る思惑もあるとみられると、NHKニュースは伝えた。
■オバマ氏の広島訪問について、「謝罪しないなら構わない」
トランプ氏は演説でまた、オバマ大統領が広島を訪れたことについては「謝罪しないなら非常に良いことだ。誰が構うものか」と語り、訪問そのものは問題視しない考えを示した。一方、クリントン氏はオバマ氏の広島訪問についてはこれまでのところ発言しておらず、アメリカ国内の世論を慎重に見極めている可能性もある。
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