Instagramはさまざまなハッシュタグによって投稿された画像の中から、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアルに関するコンテンツをフィルタリングして除外している。
データ分析会社「Data Pack」は5月初旬に、Instagramでフィルタリングされた「奇妙でとてもおかしな」ハッシュタグのリストを発表した。この中には #lesbian 、#gays、 #lesbians、 #biが含まれている。一方で、性的傾向に関する他のハッシュタグ、たとえば#gayなどは含まれていない。
特定のハッシュタグを検索しようとした時、ユーザーには、次のメッセージと共に、限定された少数の画像だけが表示される。そのメッセージとは、「#lesbianの最近の投稿は、コミュニティからInstagramコミュニティ規定違反の報告があったため、現在非表示になっています」という趣旨のものだ。
なぜそうなっているのか?
「このようなハッシュタグは『人気投稿』のみに限定されています。それは大量の『不適切なコンテンツ(ヌードやスパム等)』を含むハッシュタグは、保留になるからです」と Instagram の広報担当者はハフポストUK版に語った。
このようにハッシュタグが特定されれば、Instagram は「最新情報」セクションを一時的に削除し、「人気投稿」のみを表示することになる。これはモデレーターによって承認されている。そのハッシュタグが「不適切なコンテンツ」を投稿するために使われなくなるまで、この状態は続くだろう。
しかし、このような特定のハッシュタグに投稿された数十万枚の画像がある一方、「人気投稿」に設定された、最大33枚の画像のみが表示を許される(そのうちの多くは、インターネット・ミームかポルノであり、これこそまさに、その規制が削除することになっているものなのだ)。
注目に値するのは、それでもまだ、ユーザーはこのハッシュタグを使って画像を投稿することが出来るが、その画像がページに配置されないだけ、という点だ。
そのような方法でハッシュタグを規制することは、 LGBTとそのコミュニティに悪影響を及ぼすだろうと専門家は考えている。
イギリスの同性愛権利団体「ストーンウォール」のスポークスマン、ハフポストUK版にこう述べた。
「多くのレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、その中でも特に若者は、フォーラムやコミュニティを形成するための機会として、オンライン空間を使用します。これらは議論の場として、ネットワークや友人関係を築き、お互いに助言し合うための場として、安全に機能していることがたびたびあるのです」
「個人や集団が、このような空間に侵入するために、ハッシュタグを「乗っ取った」り、ソーシャルメディア・プラットフォームを悪用しているならば、このような空間を創造し、頼りにしている人々に有害な影響を及ぼす可能性があります。このような事態は憂慮すべきであり、対処すべき問題です」
LGBTに関する啓蒙活動に取り組む、エデュケート&セレブレートの創設者兼CEOのエリー・バーンズ氏は、ハフポストUK版に述べた。「表向きには『あるハッシュタグが許可されるが、同種の別のハッシュタグは許可されない』と言うことで、誰のためにもならない、社会から取り残されたヒエラルキーが作られるようになるのです」
バーンズ氏はまた、「今回の件に関して特に問題なのは、フィルタリングされている言葉に重要な意味があるからです。誰一人として、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、その他のLGBTに関わる言葉を恥じるべきではないのです」
バーンズ氏によれば、 InstagramはLGBTとそのコミュニティの若者たちが「自己表現」するためには強力なツールだ。彼らの多くは、自分のアイデンティティをそこに求めている。
「私たちは言葉の検閲に警戒しなければなりません。これは若い人々に影響を与えかねないからです。彼らは日々、同性愛嫌悪・バイセクシュアル嫌悪・トランスジェンダー嫌悪の中傷といじめに合っているのです」
エデュケート& セレブレートは、カリキュラム「ベスト・プラクティス・プログラム」の中で、ゲイ、レズビアン、バイセクシュアル、トランスジェンダーといった言葉は恐れられるべきではないし、文脈的に正しく敬意を持って使われるべきであると教えている。
バーンズ氏によれば、コミュニティはこの問題に対処するために連携しなければならないという。「検閲ということになれば、重要なのはその言葉であり、とりわけ私たちの言葉なのだ、ということを、LGBTとそのコミュニティが団結して示すことが大切なのです」
編注・この記事は英語での分析結果を元に作成されています。日本語に関しては未確認です。
ハフポストUK版より翻訳・加筆しました。
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