シャープ最後の株主総会 「こんなザマになったのは...」経営陣を責める声相次ぐ 7000人削減へ

次期社長はリストラに言及、どうなるシャープ。
時事通信社

経営再建中のシャープは6月23日、大阪市内で株主総会を開き、台湾の電子機器メーカー鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下に入ることが承認された。早ければ月内にも3888億円の出資を受け、鴻海の子会社となるため、1912年創業の独立企業「シャープ」としては最後の株主総会となった。ロイターなどが報じた。

■株主が経営陣を追及「こんなザマになったのは貴方たちのせいだ」

この日の株主総会の冒頭、シャープの高橋興三社長が「大変厳しい業績となり、期待に応えられず、誠に申し訳ない」と陳謝したが、株主からは経営陣に対する責任を追及する声が相次いだ。

男性株主「昔シャープで働いていた者です。従業員を何千人も首にしておきながら、どうして役員は日本電産などに再就職をしているのか。(外資に買収されるというような)こんなザマになったのはあなたたちのせいだよ」

【シャープ株主総会(3)】「こんなザマになったのはあなたたちのせいだ!」 株主発言に拍手起こる(1/3ページ) - 産経WESTより 2016/06/23 11:04)

また、シャープの人材が日本電産など同業のライバル他社に流出していることを指摘する株主も。会場からは経営陣に対抗策を求める声があがった。

 女性株主は「(同業他社への転職は)退職後5年(は禁じる)など一定期間の制限をかけられないのか。職業選択の自由とはいえ、やはり納得いかない」と不満を口にした。

【シャープ株主総会(7)】人材流出に懸念「一定期間の制限かけられないか、納得いかない」「デジタル復活望めるのか」(1/2ページ) - 産経WESTより 2016/6/23 13:45)

これに対し高橋興三社長は「日本電産では中身の事業は、現在はシャープと競合していない。将来的には分からないが、日本電産はモーターなどデバイスが中心だ」と述べた。

■経営再建は不透明 シャープ次期社長がリストラに言及

これまで鴻海側は、シャープの雇用に配慮する姿勢を見せていた。郭台銘会長も4月2日のシャープ買収契約の調印時に「従業員にはなるべく全員残ってもらえるようにしていきたい」とリストラについては消極的な方針を示していた。

しかし22日、鴻海ナンバー2の戴正呉副総裁が、全世界で7000人規模のリストラの可能性を示唆。「(再建には)信賞必罰が必要」と述べた。戴副総裁はシャープの次期社長になることが決まっている

鴻海の首脳陣がシャープのリストラ規模について公式に言及したのはこれが初めて。ロイターは「鍵を握るパネル事業は競争が激しい上、人員削減などのリストラも避けられない情勢で、順調に再建できるかは不透明だ」と分析している

株主総会では、橋本仁宏常務が「人員は効率化の観点から絶えず見直すのが責務。決まったものはない」と述べたが、社内では突然のリストラ示唆に動揺が広がっているという

郭会長は22日に開かれた鴻海の株主総会後、記者会見で「遅くとも6年後、早ければ3年後には社長を含めた経営陣は日本人にすべて任せたい」と語った

関連記事

注目記事