埼玉県東松山市の16歳の少年を殺害したとして、少年5人が逮捕が8月26日までに埼玉県警に逮捕された。調べに対し、5人全員が暴行を加えたことは認めているものの殺意について否認していると、NHKニュースなどが29日に伝えている。どんな事件なのか、これまでのマスコミ各社の報道からたどる。
NHKニュースによると、事件の概要はこうだ。
今月23日の朝、埼玉県東松山市の河川敷で、隣の吉見町に住む井上翼さん(16)が死亡しているのが見つかり、中学生3人を含む14歳から17歳までの少年5人が殺人の疑いで逮捕されました。
警察によりますと、このうち4人は容疑を認め、1人は「その場にいただけだ」と否認していましたが、その後の調べに対し、5人全員が暴行を加えたことは認めたものの、殺意について否認していることが警察への取材でわかりました。
(少年殺害事件 逮捕の5人全員が殺意否認 | NHKニュースより 2016/08/29 10:46)
共同通信が捜査関係者への取材結果として伝えたところ、逮捕された5人のうち、16歳と17歳の年長の2人はいずれも東松山市の無職少年で、地元の少年グループ「パズル」のメンバー。他の逮捕者は、17歳無職少年の弟で中3の男子生徒(14)、同市の中3男子生徒(15)、同県川越市の中3男子生徒(15)。5人は遊び仲間とみられるという。朝日新聞デジタルによると、井上さんがこの少年らのグループと行動をともにするようになったのは17日ごろからだったとされる。
時事ドットコムによると、事件直前、井上さんは地元にいたが、少年らに呼び出された際に「(今は)地元にいない」と断った。これに少年らが逆上し、暴行のきっかけになった可能性があるという。「逮捕された無職少年(16)は『うそをついたり、電話やメールを無視したりしたから殺した』と供述」と報じた。
時事ドットコムはさらに29日、井上さんが殺害される数日前にも、逮捕された少年らのグループからたばこの火を押し付けられるなどの暴行を受けていたことが取材で分かったとして「県警は、グループ内での暴行がエスカレートして、殺害に至ったとみて調べている」との見方を伝えた。
毎日新聞は「5人の一部は『(井上さんを)全裸にして暴行していたら、けいれんして動かなくなった』とも供述。遺体には皮下出血の痕があり、長時間にわたって殴る蹴るの暴行を受けたほか、川の水に顔を押しつけられる暴行も受けたとみられる」と伝えた。
井上さんの遺体は発見された際、体が半分河川敷に埋まっていたという。読売新聞は「県警は、台風に伴う大雨で川が増水し、現場の河川敷が冠水した際に遺体が埋まった可能性があるとみて調べている」としている。
埼玉県警は、井上さんが死亡した際の状況や、5人の役割や関与の度合いなどを詳しく調べている。
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