1997年、ニューヨークのストリップ楽屋。禁断の世界の、さらに裏側をのぞく【モノクロ画像】

ハイヒールを履き、化粧を整え、ときにはロッカールームで息抜きしながら、ショータイムを待つ女性たち。
Yana Toyber

1997年のことだった。写真家ヤナ・トイバーさんは、アメリカ・ニューヨークの単科大学「スクール・オブ・ビジュアル・アーツ」の1年生だった。学費の足しにと、マンハッタン中心部のミッドタウンにあるストリップバー「シェナニガン」(ペテン、詐欺、悪ふざけという意味)で働いていた。

「どこにでもある、場末のバーのような感じでした。小さなステージが2つあって、カーテンの後ろに小さなプライベートエリアがありました。『デンジャラス・カーブ』という、ストリップクラブの隣にあって、そこはお酒を出すことが認められていなかったので、お客さんはみんな、シェナニガンで酔っ払ってから,隣にヌードショーを見に出かけたんです」。当時のことを、ハフポストUS版にメールで説明した。

あまり知られることのなかった裏の世界に魅せられて、トイバーさんは「デンジャラス・カーブ」の裏側の世界を、ありのままに伝えようと決めた。「バックステージ」と名付けられた一連の写真は、写真家ラリー・クラークの作品を思わせるような、1990年代のニューヨークの夜の街を、速いシャッタースピードで撮ったモノクロ写真だ。

ハイヒールを履き、化粧を整え、ときにはロッカールームで息抜きしながら、ショータイムを待つ女性たちをとらえている。

「私はこの場末の世界で、楽しい時を過ごしたかったんです。新しい友達もできたし、写真を見る目も磨かれました。とても心躍るひとときでした! 誰でも入れるわけじゃない場所に入れたので、私はそれを十分に生かしたんです」とトイバーさんは言う。

シェナニガンはすでに閉店した。ヒョウ柄のコートや高く立てた襟といった、90年代のトレンドは流行の一線から遠のいている。しかしトイバーさんが記録した写真で、当時の様子を楽しく垣間見ることができる。トイバーさんがその場にいなかったら、誰も覚えていることはなかっただろう。

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こちらからトイバーさんの写真を購入することもできる。

ハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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