アメリカのドナルド・トランプ大統領とメキシコのエンリケ・ペニャニエト大統領は1月27日、国境の壁建設について電話会談した。メキシコ政府の発表によると、アメリカが国境に建設する壁の費用について、今後は非公開で協議することで合意したという。
ペニャニエト氏は27日に声明を出し、両国が「建設的で生産的な話し合い」をし、「今は公の場で壁の話をしないことで合意した」と述べた。
ホワイトハウスはその直後声明を発表したが、壁について公の場で話すことに関しては言及しなかった。
ペニャニエト氏は26日、トランプ氏が壁の建設開始を許可する大統領令に署名したため予定されていたワシントン訪問をキャンセルした。「今朝、31日に予定されていたトランプ大統領との会談には出席しないとホワイトハウスに伝えた」とツイートした。
ペニャニエト氏は、メキシコは壁の費用を一切負担しないと繰り返し表明している。メキシコ政府が27日に発表した声明では、壁の建設費用について両国の意見が一致していないことが明らかとなった。
「壁の建設費用の支払いについて、トランプ大統領と私は、この極めてデリケートな問題に明らかな意見の相違があると認識し、両国関係のさまざまな問題を包括的に議論し、相違を解決することで合意した」と、メキシコ政府は述べた。
トランプ大統領は25日、南西部国境の壁建設を命じる2つの大統領令に署名した。不法移民に寛容な「サンクチュアリ・シティ(聖域都市)」の取り締まりや不法移民を全員強制送還させることが目的だ。
トランプ大統領は、この大統領令で「数千人の命、数百万の仕事、莫大な額のドルが守られる」と主張した。しかしアメリカとメキシコの国境に予定されている約3057キロ(1900マイル)にわたる壁の建設には、数十億ドルの費用がかかる見込みだ。
ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。
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