アメリカのトランプ大統領が、イスラム圏7カ国の人の入国を禁止した問題は、アメリカプロバスケットボールリーグ(NBA)にも影響を与えている。
Yahoo Sportsによると、入国禁止の対象となる可能性があるのは、ミルウォーキー・バックスの新人ソン・メーカーと、ロサンゼルス・レイカーズのルオル・デンの両選手。2人の出身国であるスーダンは、イラン、イラク、リビア、ソマリア、シリア、イエメンと並び、トランプ氏がアメリカへの入国を禁止した7カ国に含まれる。
NBAには、東地区にカナダのトロントに拠点を置くチームが所属している。そのため、このチームの本拠地で試合をした際には、帰国時に入国手続きが必要となる。
そのためNBA側は、状況を把握するため国務省に連絡を取ったと、声明の中で明らかにした。「リーグに所属する対象7カ国の出身の選手に対し、入国禁止措置がどのように当てはまるのかを確かめるため、国務省に連絡を取って情報を集めている」と説明。「NBAは全世界的なリーグで、世界中から優れた選手がやってくることを誇りに感じている」と述べた。
NBAの公式サイトによると、バックスは1月28日、トロントでアウェーゲームを戦った。アメリカ合衆国税関・国境警備局が、ビザを停止した搭乗者について各航空会社に通知したばかりで、メーカー選手が試合後にアメリカ国内に戻れるかどうか懸念されていた。
この時は、メーカー選手は、再入国を拒まれることなくミルウォーキーに戻ってくることができた。チームのコーチが試合翌日の1月29日にそう発表したと、アメリカのスポーツ専門チャンネル「ESPN」が報じている。
ESPNによると、メーカー選手は2002年、家族とオーストラリアに移住。オーストラリアの国籍を持っており、同国のパスポートを使っている。また、ルオル・デン選手も、スーダンで生まれたが、2006年にイギリス国籍を取得し、二重国籍を持っている。
デン選手は1月31日、自身のTwitter上で「私は誇りを持った難民だ」とコメントした。
入国禁止措置をめぐっては、ニューヨーク州の連邦裁判所が1月28日、大統領令の執行の一部を停止するなど、反発する動きも広がっている。禁止措置が誰に当てはまり、どのように適用されるのかは不透明で、今後も混乱は続きそうだ。
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