政権に審判 衆院選きょう投開票 あす未明には大勢判明
第48回衆院選は22日、投開票される。各党党首は選挙戦最終日の21日、全国各地で支持を訴えた。12日間の選挙戦は、5年間の安倍政権を信認するかどうかが問われ、憲法改正や消費税、原発、森友・加計(かけ)学園問題に焦点があたった。台風21号の影響で、投票日を繰り上げた地域が出た。22日は一部で終了時間を繰り上げる地域を除き、投票は午後8時まで。同日深夜から23日未明にかけて大勢が判明する見通しだ。
自民党総裁の安倍晋三首相は東京・秋葉原駅前で最後の演説。「この5年間、私たちは日本を、国民を守るため全力を尽くしてきた」と強調。消費増税の使途を教育無償化に振り向ける公約に触れ、「新しい挑戦が少子化への挑戦だ。子どもの未来に投資をしていく」と支持を求めた。
希望の党代表の小池百合子・東京都知事は、東京・池袋駅西口で、首相が訴える消費増税分の使途変更について「8%から10%にして内訳をどうする、そういう話だけではない」と批判。「安倍1強政治に、緊張感をもたらし、新しい日本の設計図を描かせて下さい」と訴えた。
公明党の山口那津男代表は横浜市旭区で「大きな課題は少子高齢化、さらに北朝鮮からの弾道ミサイル。リアルな脅威が現実になった」と述べ、問題克服のため自公政権継続を訴えた。
共産党の志位和夫委員長は池袋駅東口で森友・加計問題に言及し、「キーパーソンを隠したまま、首相があれこれ弁明しても国民は信用できるわけない」と指摘。希望の党に対しても「原発再稼働容認で、自民と一緒」と批判した。
立憲民主党の枝野幸男代表は埼玉・大宮駅前で「今問われているのは、上からの政治、政策か、それとも草の根の声に寄り添った本当の民主主義か」と支持を求めた。
日本維新の会代表の松井一郎・大阪府知事は、大阪市中央区で「国会議員は優遇・厚遇。永田町の非常識にメスを入れ、民間の常識が通用する国会に変えていきたい」と訴えた。
社民党の吉田忠智党首は大分県臼杵(うすき)市で「安倍政治を終わらせ、9条改憲を阻止して欲しい。切実な声を聞いた」と声を上げた。
日本のこころの中野正志代表は仙台駅前で北朝鮮対応をめぐり、「敵基地攻撃能力を保有すべきだ」とした。
日本列島に台風が接近したことで、投票にも影響が出た。総務省によると、投票日を繰り上げる投票所は離島地域75カ所の予定だったが台風で増加。同省が20日までに把握している分だけで109カ所にのぼる。