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2018年01月25日 07時20分 JST | 更新 2018年01月25日 11時06分 JST

忘れられない思い出、飾りませんか? 世界で話題の「別れの博覧会」が日本上陸へ

別れはアートになる。

パリで開かれた「別れの博物館」で展示された、昔の彼女にもらったクマとカバのぬいぐるみ。
Benoit Tessier / Reuters
パリで開かれた「別れの博物館」で展示された、昔の彼女にもらったクマとカバのぬいぐるみ。

別れは「思い出の品物」を残していく。

それは、ふたりにとって単なる"モノ"以上の存在になる——。

別れの博物館

彼女が高校を卒業した夜だった。僕たちは、まだ付き合ってはいなかった。彼女は友達とパーティー会場にいて、僕はその会場前に車を停め、カセットテープでクラシックロックを聴いていた。彼女はパーティー会場から、「あなたが一緒だったらいいのに」というメッセージを送ってきた。

履きにくくておしゃれなイヴニング・シューズを手に持ち、コンバースのスニーカーを履いた彼女をまだ覚えている。この100万トルコリラは、その夜僕が払ったディナーの半額分だ。僕はご馳走しようとねばり、彼女は割り勘にしようと言ってきかなかった。

ディナーの後に車で自宅まで送ると、彼女は僕に軽くキスをし、助手席にお札を置いて走り去った。お札をたたんで財布の中にしまったあの日から、このお札を見ては彼女を想った。何度も彼女に返そうとしたが失敗に終わった。

シリアル番号K3303311972のお札は、その後何年も僕たちに静かな幸せをもたらした。

このお金はやがて流通しなくなり物的価値を失ったが、僕にとっては何よりも価値がある彼女との思い出の記憶だ。

このお札は、クロアチアの首都ザグレブにある「別れの博物館(Museum of Broken Relationships)」に展示されている。

生きている限り、私たちは愛する人との別れを経験する。恋人、大切な友人、家族との別れ......。

愛するふたりの間には「思い出の品物」が生まれていく。恋愛の終わりを告げるトルコリラ、旅先で一緒に選んだ絵、喧嘩の後の仲直りの手紙は、ふたりにとっては単なる"モノ"以上の存在になる。

だからこそ、別れた時にその品物は、痛みを思い出させるものにもなりえる。

別れの博物館は、「別れの痛みを抱え込むのではなく、思い切ってたくさんの人たちと共有する」場所だ。

"たくさんの人に見てもらうことで、癒しや安心感を感じる"

そんなコンセプトのもとにつくられた博物館には、世界中から集められた「別れの品物とストーリー」が展示されている。

別れの博物館は、別れがきっかけでつくられた

この博物館をつくるきっかけになったのは、クロアチアの首都ザグレブに住むカップル、オリンカ・ヴラシュティツァさんとドラジェン・グルビシッチさんの別れだった。

Rina Ota / Reuters
ドラジェン・グルビシッチさん(左)と、オリンカ・ヴラシュティツァさん

ふたりは4年間付き合った後、2006年に関係を終わらせた。しかし、共に過ごした大切な時間と思い出の品を心の奥底にしまってしまうのでなく、展示してみてはどうだろうというアイディアを思いつき、コンテナを購入して展示すると、大きな反響が集まった。

小さなコンテナからスタートした博物館は、今では世界中を巡回するほどの注目を集めている。

別れの博物館
コンテナからスタートした(左)。右は、ザグレブにある現在の別れの博物館。

恋人としての関係は終わったけれど、ヴラシュティツァさんとグルビシッチさんは、今でも良いビジネスパートナーとして、共に博物館を運営する。

ついに日本にも、「別れの博物館」がやってくる

別れの博物館はこれまで、ロンドンやパリ、ニューヨークといった大都市の他、台湾、韓国、シンガポールなど世界29カ国45都市を巡ってきた。、2018年3月に日本でも初開催されることになった。

恋愛にまつわる品物が多いためか、これまで日本語では「失恋博物館」と説明されることが常だったが、今回の初開催のイベント「あなたのわたしのお別れ展」を機に「別れの博物館」と表現することにした。恋愛だけでなくすべての別れが対象だからだ。

展示されるのはザグレブの「別れの博物館」にある展示品だけではない。現在日本初開催用の「品物とお話」を募集していて、誰でも応募できる(締切は2018年2月15日)。

展示品はどんなものでもかまわない。「別れの博物館」には、結婚アルバムや、3歳のときに生き別れになったお母さんからもらったカエルの置物など、いろいろなものが展示されている。

一度送った品物は返却されないが、日本で展示された後にザグレブへ運ばれて、博物館で大切に保存される。もしかすると、もう二度と再会できないかもしれないが、海を渡ってあなたの別れのストーリーを世界中の人に伝えられると考えるとちょっとロマンチックだ。

あなたの手元に、別れた人との思い出がつまったものはないだろうか? ずっと手放せなかったものがあれば、この機会に、あなたの別れのストーリーを思い切って世界中の人にシェアしてみるのもいいかもしれない。

■応募方法

応募ページ(https://brokenships.com/?open=contribute)を開くと、英語案内が表示されます。1. Select Locationの中から「Tokyo, Japan」を選び、 「Next」ボタンを押すと、次のページの下部に日本語で情報を記入する欄が表示されます。連絡先は日本開催事務局mobr@kanekoassociates.com 。

別れの博物館概要

■名称:「別れの博物館」あなたとわたしのお別れ展

■会期: 2018 年3 月31 日(土)〜 4 月14 日(土)

■会場: アーツ千代田3331 メインギャラリー http://www.3331.jp/

■URL: http://www.brokenships.jp日本開催専用サイト)

■URL: http://www.brokenships.comクロアチア オリジナルサイト)

■Facebook:https://www.facebook.com/brokenshipsJAPAN