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2018年02月02日 11時02分 JST | 更新 2018年02月05日 08時52分 JST

サウジが入国審査職を女性に解禁 → 10万7000人の応募が殺到し、サイトダウン

サウジで進む「女性解放」の動き、その背景は?

競技場でのサッカー観戦が許され、応援するチームの旗を振るサウジアラビアの女性ら=2018年1月、リヤド
ALI AL-ARIFI via Getty Images
競技場でのサッカー観戦が許され、応援するチームの旗を振るサウジアラビアの女性ら=2018年1月、リヤド

サウジアラビアが入国審査を担当する職員として初めて女性を募集したところ、約10万7千人から応募があったことが2月1日、明らかになった。CNNなどが伝えた。

サウジアラビアは男女格差が最も大きい国の一つと知られているが、政府は最近、「女性解放」策を次々と打ち出すなど、トップダウン型の社会改革が進んでいる。

募集があったのは、空港や国境に設けられた旅券を審査する部署の職員で、求人数は140にのぼる。NBCによると、応募条件は、高校卒業の資格があるかまたは同程度の学歴を持つ25~35歳。旅券局がTwitterなどを通じて1月18日から告知したが、応募が殺到し、インターネットの申し込みサイトを閉鎖する事態にもなったという。

サウジアラビアでは、女性が働くためには後見人の同意が必要となるなどの制限があり、失業率は33%に達するという。全体の失業率(12%)を大きく上回っている。

このほか、結婚や離婚、旅行など様々な制約があり、世界で最も女性の権利が制限されている国の一つだ。だが、こうした状況に変化が起きている。

2015年に即位したサルマン国王と、息子で次期国王候補とされるムハンマド皇太子がこうした制約を次々と撤廃。2017年6月にはそれまで禁止されていた女性による車の運転を許可。2018年1月には初めて、女性がサッカーを競技場で直接観戦することも解禁された。

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解禁を受けて乗用車を運転するサウジアラビアの女性=2017年9月、サウジアラビア西部のジッダ

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競技場でサッカーを観戦するサウジアラビアの女性ら。サウジアラビアではこれまで女性が競技場で観戦することは禁止されていた=2018年1月12日、ジッダ

こうした改革の背景には、これまでの石油依存の経済政策から転換したいという思惑がある。国王らは2030年を目標に、外国からの投資を呼び込み、国有の石油会社の一部株式を売却するなどの大規模な経済改革を計画している。

「開かれた」経済を実現するためには、女性に対する差別が障害になると判断しているとみられ、女性の労働力活用と社会進出を同時に進める方針だ。