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2018年05月26日 17時38分 JST | 更新 2018年05月27日 00時28分 JST

関学大の会見一問一答、鳥内秀晃監督「『1プレー目で潰してこい』は異常」(日大の危険タックル問題)

「あれはプレーじゃない。あってはならないことです」

AbemaTimes

日本大学の危険タックル問題を受けて、関西学院大学は5月26日、アメリカンフットボール部の小野宏ディレクターと鳥内秀晃監督が会見した。

会見詳報はこちら》日大の危険タックル問題、関学大が会見「来年以降、定期戦は中止」

日大の選手による危険タックル行為をめぐっては、実行した選手と、内田正人前監督、井上奨前コーチとの間で「(監督・コーチによる反則プレーの)指示」があったかどうかが焦点になっている。

鳥内監督は、日大の「『1プレー目で潰してこい』は異常」と語り、教育現場におけるスポーツのありかたについても「恐怖のもと体罰のもとでやって、教育が成り立つかというとありえない」とコメントした。

報道陣からの主な質疑応答の内容を紹介する。

ーー今月19日に内田監督がいらしたわけですけれど、その前に当該選手から謝罪を受けた内容を伝えたのか。

小野:そのときは、私の方からは鳥内監督にも謝罪の内容は伝えておりませんでした。会ったということだけ伝えていました。その段階では、という状況です。

日大の方で、本人とお父さんが(関学の選手に)「謝罪に行きたい」といったことを一旦止められたということもおっしゃっておりましたし、そういうことをした場合に、戻った場合に、何らかの不利益が起きる可能性があるということも考えたりしました。そのことを、我々の方から公表する話ではないなと思いましたので、控えている状態になっていたということです。

ーー19日の(内田監督の)謝罪はどう思いましたか。(当該選手から話を聞いていて)ある程度わかっていた。

小野:謝罪に来られて、日本大学としての謝罪をお話をされるという形になっていましたので、内容についてはその場所で「ここがおかしい」とかいう質問はするべきではないと思っておりましたので、謝罪の場を持った、ということをご説明させていただいておりました。

ーー当該選手および監督の会見をみて、心情としてはどちらが真実を語っていないと思いますか?

小野:宮川くん自身とお話をして、その態度や印象をみて確信を持っております。

鳥内:本当に責任を感じておられるなら、もうちょっと違う説明ができるだろうと思いました。

ーー内田前監督の会見をご覧になった。「まさかああいうことになるとは思わなかった」「選手の不安定な部分を見抜けなかった」と言っていた。これについてはどう思いますか?

鳥内:見抜けなかったというのはわかるんですけど、あの会見までにだいぶ時間があって、それまでにもヒアリングもしてませんよね。本当に解明する気があるのかなというのはありますね。

ーー「自身の責任」と話しながらも、選手に押し付けるようなようにも聞こえたんですが、監督はどう思いましたか?

鳥内:本当に自分も責任者として責任があると考えているのであれば、あのような会見じゃないんじゃないかなと思います。

ーー次の段階として、関東学生連盟の規律委員会の処分がどのようになるか。関学として納得できる処分はどのように考えていますか?

小野:関東学生連盟の処分については、これは我々が関与することではなくて、日大が加盟をしている、日大と試合をする可能性がある各チームの方々で構成されている関東学生連盟自身が判断をしていただくことですので、我々が何か要望を出すことではないと思っています。

できればそこで、我々もわかるような明確な真相の究明を望みますけれども、処分の内容については我々が言及することではないと思います。

ーー今回の問題は、大学スポーツのあり方、指導者のパワハラの問題であったり、広くこの問題が今考えられるようになっていると思います。関学としての見解をあらためてお聞きしたい。

鳥内:大学のスポーツですけれども、もともとスポーツというのは自分らで考えてやるもので、形成されていくもので、やりたいことをサポートするのが指導者の役割と考えておりますので、恐怖のもと体罰のもとでやって、教育が成り立つかというとありえないと思います。

いろんな競技があると思いますけど、いまだにそういう体制でやっているところがあるのであれば、今こそ改変するチャンス。小学校、中学校、高校と、みんな同じだと思いますけど。

上からの厳しい指導のもと、というのもあるんですけど、行き過ぎで、子どもたちが意見が言えない。監督の意のままにやらないと怒られる。個性を伸ばすってできないですよね。結局顔色を見ながらになってしまう。

社会に出れば、いろいろと忖度しないとダメなときもあるかもしれませんが、スポーツにおいて、あってはならないことだと思います。

ーー関学側から抗議文を送るまで、内田監督からは謝罪がなかったということですが。

鳥内:我々の認識と違うんでしょうね。あれはプレーじゃない。あってはならないことです。

ーー日大のアメフト部の部員たちが近々声明を発表するという動きもあります。この動きに対してどう思うか?

鳥内:一人がああいう感じで勇気を持ってやってくれた。それ以外のメンバーが正直に真実を述べて、声明を発表するのはいいんじゃないかと思います。

ーー日大との定期戦を当面取りやめるということを部員に伝えたのか。どういう反応だったのか。

小野:この文書を公開しているのは今が初めてですので、まだ部員には伝えておりません。これから伝えることになります。

ーー被害を受けた選手の怪我の回復具合は? 団体戦に復帰する予定はあるのか。

鳥内:今週前半から練習に参加しはじめました。一応膝は良くなっているので、(試合の)準備はします。

ーー(会見で配布された資料には)「クオーターバックを潰せ」という意味について、結果として「怪我をさせる」という明確な目標が示されている、とあります。日大の選手は明確に「怪我をさせろ」といわれていないが「潰せ」といわれている。はっきりしないが、追い詰められてこうなったのは事実。どう思うか。

小野:単純に「潰せ」「壊せ」というのはチーム内に出てくる言葉ですが、相手を潰せ、クオーターバックを潰せ、しかも1プレー目で、というのは、一般的に怪我をさせろという意味を含んでいる可能性が高いのではないか。

現に「相手を潰すくらいの気持ちでやってこい」ではなく「本当にやらなければいけないのだ」という風に追い詰められてこのプレーをしたと(日大の選手は)陳述書に記しています。

「どこでもいい。1プレー目で相手のクオーターバックを潰してこい」と具体的な指示をして、さらにクオーターバックを壊すことを試合に出るための条件にしているので、こういうことを考えると、言葉の意味は非常に大きいと考えております。ここの真相をさらに究明をしていただきたいと思います。

ーー今回発言しているのは、主に井上コーチなんですけれども、井上コーチがそう言っているということは一番上の監督が指示しているとお考えでしょうか。

鳥内:何にも言わなくて、井上コーチが勝手にそういうことするのかなと思いますから、どういう表現かはわかりませんが、何かがあったんじゃないかとは思います。

ーー他大学でも「潰せ」「壊せ」という表現は、通常飛び交う言葉なんでしょうか?

鳥内:私は現役の時は、そういうこともありましたけど、今の時代に、うちのチームでは、選手にはそういう表現は「言わないように」といっている。「1プレー目で潰してこい」というのは異常なんじゃないかと。

ーー日大の当該選手とそのご家族の謝罪には納得していますでしょうか?

鳥内:彼の謝罪会見を見れば、やったことは仕方ないのですけど、気持ちが入って誠実に話したなと思います。