野邉大地さん死去、スーツアクターへの誤解を危惧する声。小手伸也「尊敬すべき立派な俳優です」

「感情や言語を全身表現に置き換え、台詞や表情に頼らず情報化するプロです」

高所からの飛び降り訓練中の事故で、21歳で死去した俳優の野邉大地(のべ・だいち)さん。所属事務所は「俳優として、スタントマンとしてもかけがえのないメンバーでした」と、その功績を偲んだ。

野邉さんはアクション・スタントの専門事務所「ジャパンアクションエンタープライズ(JAE)」に所属。テレビドラマや舞台のほか、「仮面ライダーエグゼイド」(2016年)、「仮面ライダービルド」(2017年)ではアクションシーンを専門的に演じる俳優(アクションクルー)としても活躍していた。

迫力あふれる戦闘シーンは、特撮作品の魅力の一つだ。その裏には、アクションやスタントを担うアクションクルーやスーツアクターの存在が欠かせない。

役作り用のスーツを身にまとい、劇中で見せる激しいアクション。特撮ファンは、そんな彼らが作り上げてきた戦闘シーンに魅了されてきた。

野邉さんの訃報を受けて、Twitter上では「俳優ではなく、スーツアクターだったのでは」「スーツアクターで仮面ライダー出演俳優とか報道されるのか」という声が上がった。

JAEのスタッフは14日、ハフポストの取材に対し「弊社ではスーツアクターという言い方はしておらず、あくまでも俳優です。どんな役を演じていたかは公表していない」と話した

「仮面ライダービルド」に出演していた俳優・前川泰之さんは14日、野邉さんへの追悼の言葉をブログに綴った

《同じ作品に携わる大切な仲間を失ったこと、まだまだ夢に向かって走り出したばかりの若い才能が失われてしまったこと、本当に残念でなりません。また本人の無念と、ご家族の哀しみを思うと言葉がありません》

「仮面ライダーエグゼイド」で天ヶ崎恋役を演じた小手伸也さんは15日、こんな言葉をつぶやいている。

《スーツアクターは「俳優」です。傍で見てた限りむしろ「舞台俳優」に近しい。感情や言語を全身表現に置き換え、台詞や表情に頼らず情報化するプロです。アクション出来ればいいってものじゃない、尊敬すべき立派な俳優仲間です。哀惜の念を表明する以上に...それだけは、誤解なく伝わって欲しいと祈る。》

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