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2018年06月19日 12時44分 JST | 更新 2018年06月20日 17時54分 JST

羽生善治竜王、タイトル100期へ正念場。大一番の昼食はスタミナ重視の「アレ」だった《将棋名人戦》

対局は二手目で異例の「△6二銀」にどよめき。

時事通信社

佐藤天彦名人(30)に羽生善治竜王(47)が挑む第76期将棋「名人戦」七番勝負の第6局が6月19日、山形県天童市の「天童ホテル」で始まった。

これまで佐藤名人が3勝2敗でリード。タイトル100期がかかった羽生竜王は、本局に勝って最終局に持ち込めるか正念場。注目の一番となっている。

HuffPost Japan

対局は持ち時間各9時間の2日制。午前9時、佐藤名人の先手で始まった。

佐藤名人の初手は▲2六歩。飛車先の「歩」を突いた。これに対し、羽生竜王はほぼノータイムで△6二銀と指した。"負けたら終わり"の対局で飛び出た、珍しい一手。周囲からはどよめきがおこったという。

副立会人の木村一基九段は「千日手で指し直しもあるかも」と分析。将棋駒の生産量日本一を誇る天童でいま、熱戦が繰り広げられようとしている。

過去、通算の対戦成績は佐藤名人が11勝、羽生竜王が8勝。1日目の「封じ手」は午後6時30分以降の予定。

■カド番の羽生竜王、大一番での昼食メニューは?

12時30分、両者は昼食休憩に入った。ここまでの消費時間は佐藤名人が1時間44分、羽生竜王が1時間33分。

席を立つ際、羽生竜王は「あぁ〜...」と声をあげて、身体を伸ばした。今後の展開に頭を悩ませているのか、それとも...。

この日の昼食は、佐藤名人が「牛すきやき丼、りんごジュース」、羽生竜王が「和牛ステーキランチ」を選択した。大一番となる本局、両者ともスタミナ重視の牛肉を使ったメニューを採用したようだ。

以下、今期の「名人戦」で両者が注文した昼食だ。

防衛を狙う佐藤名人、対局2日目は「カレー」が定跡。また、アップルジュースの採用率が高い。

対する羽生竜王は第一局1日目、会場となったホテル椿山荘東京での対局で「定跡」となっているピザを注文。松花堂弁当や和風弁当のほか、丼ものや麺類も注文。バラエティに富んだ選択だ。

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■第一局1日目
・佐藤名人
 うな丼、アップルジュース。
・羽生竜王
 ピザマルゲリータ、オレンジジュース

■第一局2日目
・佐藤名人
 ビーフカレー、アップルジュース
・羽生竜王
 松花堂弁当、温かいお茶

■第二局1日目
・佐藤名人
 能登豚丼
・羽生竜王
 のど黒のいしる焼き丼

■第二局2日目
・佐藤名人
 能登牛金沢カレー(サラダ付き)
・羽生竜王
 白海老かき揚げ越前おろしそば(冷)

■第三局1日目
・佐藤名人
 ハンバーグセット、アップルジュース
・羽生竜王
 勝卵とじ定食

■第三局2日目
・佐藤名人
 カツカレーセット、アップルジュース
・羽生竜王
 大和肉鶏テリヤキセット

■第四局1日目
・佐藤名人
 博多和牛網焼き&博多小鉢盛り合わせ定食、アップルジュース
・羽生竜王
 BAR「OCTOPUS」伝統カリー、サラダ、グレープフルーツジュース

■第四局2日目
・佐藤名人
 BAR「OCTOPUS」伝統カリー、サラダ、こだわりぶどうジュース(白)
・羽生竜王
 海鮮丼&出し巻き玉子定食、オレンジジュース

■第五局1日目
・佐藤名人
 握り寿司盛り合わせ、蜜しぼり100%りんごジュース
・羽生竜王
 名古屋コーチン極上親子丼、生搾りオレンジジュース

■第五局2日目
・佐藤名人
 カレーライス、生搾りすいかジュース
・羽生竜王
 和風弁当「さわち」、生搾りグレープフルーツジュース

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午後3時には、おやつが提供される。

■大一番の「将棋めし」にファン注目

Kei Yoshikawa/HuffPost Japan
藤井聡太七段

2017年は、デビュー以来「公式戦29連勝」を記録した藤井聡太四段(当時)に注目が集まったが、その快進撃もさることながら、対局の際に注文した食事も話題になった。

読者の中には、「なぜ棋士の食事に注目が集まるのか」と疑問に思う方もいるかもしれない。

だが、「たかが食事」と侮るなかれ。意外かもしれないが、将棋ファンの間では、棋士の食事が観戦ポイントの一つとして定着している。

食事には、棋士の個性が表れることが多い。6月に現役を引退した加藤一二三九段は大食漢で知られ、「昼も夜も、うな重」の伝説で有名だ。棋士の食事を題材にした松本渚さんの漫画『将棋めし』も人気だ。

松本渚さんは、ハフポスト日本版のインタビューに「食事も一緒で、棋士の食事を知ると、その棋士が急に人間味を感じられる」と語っている。

時には、食事の選択が勝負の趨勢を分けることもあるようだ。『将棋めし』の監修を務める広瀬章人八段は、「自分より格上のうな重を注文され、やられたと思った。劣等感から対局も負けてしまった」と、自らの体験を産経WESTの取材に披露している。

たかが食事、されど食事なのである。