アート&カルチャー
2018年07月05日 12時05分 JST | 更新 2018年07月05日 18時15分 JST

フジロックは、なぜYouTubeでの世界同時配信を決めたのか。 「若干の懸念はありますが…」

日本の音楽界にとって画期的な試みだ。

YouTube「Fuji Rock Festival」公式チャンネルより

7月27日から3日間にわたって開催される「FUJI ROCK FESTIVAL'18」のステージが、YouTubeで世界に向けて生配信される。1997年に始まって以来、初となる試みだ。

同フェスを運営するSMASHによると、フジロックの存在や出演するアーティスト、特に邦楽アーティストを「世界に知ってもらえること」が、YouTubeでのライブ配信に踏み切る決め手になったという。

●4ステージの一部アーティストのステージを生配信

フジロックは、新潟・苗場スキー場で開催される国内最大級の野外ロック・フェスティバル。2018年はノーベル文学賞受賞者のボブ・ディラン、ピュリツァー賞音楽部門を受賞したケンドリック・ラマー、N.E.R.Dがヘッドライナーを務める。

豪華なラインナップに注目が集まっているが、主要ステージのGREEN STAGE、WHITE STAGE、RED MARQUEE、FIELD OF HEAVENでのライブの一部や、出演アーティストのインタビュー動画などを公開するという。

ライブ配信によってフジロック自体を知ってもらったり、邦楽アーティストと出会ったりする機会を作ることが狙いだ。SMASHの担当者はハフポスト日本版の取材に対し、以下のように展望を語った。

「フジロックフェスティバル自体そして、出演いただくアーティスト、特に邦楽アーティストをYouTubeによる全世界配信で世界に知ってもらえることが、ライブ配信を決めた一番の理由です」

「今までフジロックの名前は知っていたが、サイトを見たり、出演アーティストを知ろうとしていなかった方にも気軽に見ていただき、興味をもっていただける機会になればと思います」

ライブ配信の対象となるアーティストはこれから順次発表されるが、邦楽アーティストからはサカナクションやエレファントカシマシ、マキシマム ザ ホルモン、The Birthday、Suchmosなど、日本の音楽シーンを牽引するアーティストたちが出演予定だ。

全世界での発信をきっかけに、邦楽アーティストの認知が広がり、世界進出のチャンスが生まれる可能性もある。日本の音楽界にとって画期的な取り組みと言える。

●「もちろん初の試みですので、若干の懸念はありますが...」

スマホや動画配信サービスの普及により、ライブをネット上で生中継する国内のアーティストも徐々に増えつつある。

海外では、アメリカ最大の野外フェス・コーチェラ(Coachella)などがYouTubeでのライブ配信を行なっており、2018年はビヨンセによる圧巻のパフォーマンスを生配信。日本のTwitterでもトレンド入りするほどの反響を呼んだ。

YouTubeのライブ配信は「無料」で楽しめる、というのもポイントだ。「仕事で行けない」などの理由で"フジロック参戦"を断念する人や、興味を持っている人が、気軽にフジロックを楽しめるようになる。

一方で、ライブ配信によって「来場者が減るかもしれない」などの懸念はないか。この問いに対し、担当者は以下のように話す。

「もちろん初の試みですので、若干の懸念はありますが、それよりもライブ配信を観て、くやしい想いをされた方が翌年来場いただけるのではと期待しております」

その場にいる臨場感、アーティストと観客の間で生まれる一体感。これは現地にいるからこそ味わる、フェスの醍醐味だ。YouTubeでのライブ配信をきっかけに、世界にいる音楽ファンがフジロックの魅力を知り、アーティストを発掘する機会が増えることに期待したい。