浪商高校のハンドボール部員「ひじ打ち」ラフプレーで波紋。インスタで「ぶっ殺す」発言も

故意か、偶然か…。ハンドボール名門校が真っ向対立。

大阪体育大学浪商高校ハンドボール部の選手が、試合相手の桃山学院高校の選手に対して、故意に「ひじ打ち」を入れていた疑惑が報じられて大きな波紋が広がっている。

問題の試合は6月10日、大阪・堺市であった男子ハンドボール大会。インターハイへの出場を賭けた予選の決勝だった。

浪商高、桃山学院高とも全国大会に出場する強豪校。インターハイの常連でライバルだという。

試合時間は前半・後半。それぞれ30分。FNNによると、問題のプレーは試合終盤の後半13分に起こった。

浪商高の選手が桃山学院の選手の前にぴったりと付いた瞬間、浪商選手が体を右にひねった。すると、桃山学園の選手が背中から突然倒れた。浪商高の選手の「ひじ打ち」が、桃山学院の選手にあたった瞬間だ。

ひじ打ちを受けた選手は鳩尾のあたりを押さえ、その場でうずくまってしまった。桃山学院側はファウルをアピールしたが、審判は別のファウルに対応中だった。そのため心配は「ひじ打ち」を見ておらず、ファウルはとられなかった。

試合は浪商高校が勝利し、全国大会出場を決めた。

今回の「ひじ打ち」をめぐっては、試合前に浪商高の選手がラフプレーを予告するような動画をInstagramに投稿していたことが明らかになった。

7月4日放送のテレビ朝日「モーニングショー」によると、決勝戦の前日に浪商高のハンドボール部員はInstagramに投稿した動画で「ぶっ殺す」「やっちまいましょう」などと、犯行予告とも取れる内容を叫んでいた。

同番組によると、浪商高の部員がLINEのグループ会話で、被害を受けた桃山学院のエース選手の名前を挙げて「ぶっ殺す」などのメッセージをやりとりしていたという。

桃山学院は試合後、大阪高体連(ハンドボール専門部)に調査を依頼した。

大阪高体連は、事情聴取や映像の確認などの調査。その経緯と結果をホームページで報告した

概要は以下のとおり。

  • 桃山学院の選手にユニフォームを引っ張られていた浪商高の選手が、それを振りほどこうとして身体をひねった際に、肘が相手選手の胸辺りに当たったことが確認された。
  • 両校の監督立会いのもと、浪商高の選手から桃山学院高の選手へ謝罪があった。
  • 当該行為を審判が現認していれば、反則行為に当たるものであったことが確認された。
  • 本事案については、審判が当該行為を見ていなかったことにより、混乱をきたしたものと判断。
  • 問題のあった試合の審判・役員に厳重注意を行うとともに、反則行為について当該選手、監督に指導した。
  • 6 月20日、専門委員長から両校の顧問に対し、謝罪と説明を行った。

大阪高体連は「ひじ打ち」行為が反則行為にあたると認定。試合中に判定できなかった審判らを厳重注意し、浪商高の監督と選手にも指導した。

一方で高体連は、桃山学院が主張する「ひじ打ちは意図的ものだった」という意見については、相手を振りほどこうと体をひねった時に、ひじが当たった偶発的なものだったとした。

・桃山学院側「意図的なものだった」

選手がひじ打ちを受けた桃山学院側は7月4日、問題のプレーについて記者会見を開いた。

同校ハンドボール部の木村雅俊監督は、被害を受けた選手について「決勝の試合でも28得点のうち10得点」をあげたエース選手だったと説明。

木村監督は「数十秒立ち上がれない状態は、誰が見ても何かあったに違いないなということは見て取れる。左手をつかまれているにも関わらず、右腕を振りかぶってひじが当たったということについては、偶然当たったものではないと認識しています」と話した

また、桃山学院側は浪商高部員がInstagramに投稿した動画について問題視。「保護者の方は試合の前にはSNSに関する情報が入っていて、自分の子供が何かされるのではないかという不安の中で試合を応援されていたそうです」としている。

桃山学院は大阪高体連に対し、真相究明と再発防止の要望書を提出する方針だという。

・浪商高校側は「故意ではない」

FNNによると、浪商高校側はひじ打ちは故意ではないと強調した。

同校の工藤哲士教頭は「故意というかそんな気持ちはなく、ただ当たったことは事実なので、そこは申し訳ないと思っております。ご迷惑おかけしたことは、深くお詫び申し上げたいと思います」と説明。

部員によるInstagramの投稿については、冗談のつもりだったという。「投稿した生徒と、ひじ打ちをした生徒は別人でラフプレーの予告ではない」とし、プレーとの因果関係は否定した。

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