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2018年10月04日 12時09分 JST | 更新 2018年10月06日 18時01分 JST

キズナアイのNHK登場めぐって激論。人気のバーチャルYouTuberは「性的」なのか?

「このイラストを使う感覚を疑う」という批判の一方で「穢らわしいものなの?」と反論も

NHKの特設サイト「まるわかりノーベル賞2018」より。
nhk.or.jp
NHKの特設サイト「まるわかりノーベル賞2018」より。

バーチャルYouTuberの「キズナアイ」が、NHKの特設サイトに登場したことをめぐってネット上で激論になっている。

「キズナアイ」は、AIを自称する3Dアニメの少女。2016年からYouTubeで活動しており、チャンネル登録者数は10月4日現在、333万人を超えている。架空のキャラクターがYouTuberとして活動する「バーチャルYouTuber」の草分け的な存在で、若者を中心にして突出した人気を誇っている。

キズナアイが登場したのは、NHKの特設サイト「まるわかりノーベル賞2018」だ。ノーベル賞で注目されている分野について、液晶モニターの中にいるキズナアイが専門家の話を聞くという内容になっている。

 

■「このイラストを使う感覚を疑う」と批判

この特設サイトをめぐって激論になったのは、弁護士の太田啓子さんが10月2日にTwitterに投稿したことがきっかけだった。

太田さんは特設サイトのイラストを引用した上で、「NHKノーベル賞解説サイトでこのイラストを使う感覚を疑う」として、「女性の体はしばしばこの社会では性的に強調した描写(を)されアイキャッチの具にされるがよりによってNHKのサイトでやめて」と訴えた。

この投稿を武蔵大学教授の千田有紀さんが紹介し、キズナアイの受け答えで相づちが多いことを指摘した。

その上で、ノーベル賞の受賞者に男性が多いことを引き合いに出して、「理系の女性に対しての風当たりは厳しく(中略)せめて白衣の女性が立ち、きちんと受け答えをしてくれていたら、女子学生はどれだけ励まされただろうか」 とYahoo!ニュースに寄稿した

中日新聞記者の佐藤圭さんも「NHKも女性蔑視の萌えキャラにお墨付き」として、太田弁護士をTwitterで擁護した

アニメ風の「萌えキャラ」をめぐっては地方自治体とコラボしてトラブルになったケースがあり、2015年に三重県志摩市の公認キャラクター「碧志摩(あおしま)メグ」に「性的な部分を過剰に強調していて不快だ」として地元住民が批判が出て、市が公認撤回

同年には、ライトノベル「のうりん」とコラボした岐阜県美濃加茂市の観光協会のポスターが「セクハラ」などの批判が相次ぎ、協会が駅から撤去している

 

■「女の子の身体は隠さなきゃならない穢らわしいものなの?」と反発する声も

こうした声の一方で、キズナアイは「性的ではない」と反論する声も続出している。

タレント・声優の春名風花さんは「これ何でダメなの?なぜ女の子が可愛い服を着て可愛く振る舞うことが性的ってことになるの?」とTwitterに投稿した。

漫画のみずきひとしさんも、「こういうひとたちは二次元キャラをジェノサイド(絶滅)するまで止まる気はないので譲ってはいけない」と、キズナアイへの批判に反発した。

 

■世代間ギャップや脚本の不備を指摘する声も

一方で、今回の騒動を「世代間ギャップではないか」と冷静な見方をする人もいる。

Twitterユーザーのkikiさんは、母親がピンク・レディーの衣装を初めて見たとき「なんて破廉恥な!」と驚いていて、真似しているkikiさんを複雑な思いで見ていたと明かした。

また、SF作家の野尻抱介さんはキズナアイは「おバカな子」キャラなので学術的な解説をしたらおかしいと指摘した上で、ただ専門家に相づちを打つだけの脚本は「女性アシスタントの類型的な使い方を一歩も出ていなくて残念」と指摘した。

【訂正】武蔵大学教授の千田有紀さんも「賛同した」と当初書いていましたが、本人から「投稿の趣旨に賛同したわけではなく紹介したもの」と申し入れがあったことを受けて、「紹介した」と訂正します。(2018/10/07 17:55)