カンボジアより、スースダイ(こんにちは)! オリジナルシャツ&アパレルブランド「Sui-Joh」を経営する浅野 佑介です。
言語にまつわる苦労
現在、当社内で使う言語は、第一言語にクメール語、第二言語は英語となっています。英語が堪能なメンバーも、ひとまずクメール語で僕に話しかけてくれます。そして僕が理解していないと分かると英語で補足してくれて、ありがたい限りです。
今では、クメール語でのやりとりも日常業務のコミュニケーションであれば可能となりましたが、それはSui-Joh内、あるいは業務で使う語彙に偏りが出てきている、という事実の裏返しでもあると思います。恥ずかしながら、レストランで「スプーン」や「箸」の単語が出てこず、ジェスチャーに頼ってしまうということが、今でもあります。
もっと勉強して、自分の言葉で伝えられるようになりたいと思っています。
そして別の問題として、Sui-Johメンバーには僕のクメール語がスムーズに通じても、例えばご近所のカンボジア人には通じないということもあり、メンバーがきっと僕の「妙なクメール語」を理解しようと歩み寄ってくれていることを感じます。
カンボジア、英語は通じるものの......
話は遡り2002年にカンボジアに初めて来たときから思っていたことがあります。
それは、英語に関していえば周辺国のタイやベトナムよりも通じるのでは、ということです。旅行者としてプノンペン、シェムリアップを訪れれば、英語が通じなくて意思疎通が全くできないということはないと思います。
ただそれは旅行者としての側面であり、そこで仕事をし、人と深く交わろうとするのであれば、その国の言語を少しずつでも習得する、あるいはしようとする姿勢が必要なのかなと思います。僕も最初の頃は、英語&カンボジア語の辞書や指さし会話帳をもってテーラーに通い意思表明をしたものです。
でも、この弱点は、自分の意思は伝えられても、相手の言っていることを理解するには語彙や文法の理解力に限界があるため、一方通行な会話になりがちということです。
僕にも、相手が言うことを理解したつもりでいたために意思疎通の問題が発生するようになった時期がありました。それ故、ミスも増え、不良も増え......。
それを自覚したのをきっかけに、相手の言っていることを僕がリピートするオウム返し作戦を始め、それにつれミスも減り、語彙も少しずつ増やすことができたように思います。
しかし、こういったカンボジア人とのコミュニケーションの根源にあるものは、彼らの心の大らかさ(僕が間違った発音でオウム返ししても、気長に付き合ってくれたりします)、そして幸いにも多くの人が笑顔でコミュニケーションをしている点にあると思います。
笑顔はある種、最強の世界共通言語で、それには国や町のイメージだけでなく、人のイメージをも変えてしまうパワーがあるものです。だから僕はカンボジアに恋をしたのだと思います。
クメール語をもっと学び、笑顔も忘れず、これからも笑顔をつなぐことをできれば、と考えています。
Ambassadorのプロフィール
浅野祐介
日常にHAPPYと彩りをお届けするカンボジア発のファッションブランド、Sui-Johの創設者。1981年愛知県生まれ。4人兄弟の長男。会社員を経て、2010年秋よりプノンペン市内のNorton大学 大学院へ入学。その中で、ファッションと文化の融合を目指しシャツ作りを始め、現在はトートバッグやポーチなど幅広く制作をしている。モットーは"Happiness is only real, when it's shared"。