まいど! 晩御飯は週3唐揚げ。チキン大好きエンジニアのShinyaです。
今日は世界で最も注目が集まる分野のひとつ、「IT教育」について南国セブの海を前にしたためました。
21歳の頃プログラミングを始め、22歳からエンジニアをやりだしてからのこの5年、累計1000名近くの方へプログラミング学習のサポートを行ってきました。現在も常夏の島セブにてエンジニア留学というテックスクールを運営しています。
そんな職業上「IT教育」についていろいろと考え、感じることが多いので、簡単にまとめてみました。
まず、ご存知かもしれませんが、今世界ではエンジニア人材不足が深刻化しています。理由は諸々ありますが、特に「スマホの普及」と「IoT」。現在恐ろしい勢いで各企業がいろいろなモノに技術の風を吹き込んでいますよね。最新の冷蔵庫なんて、中身が少なくなると喋りかけてくれたり、Amazonと連携して勝手に発注かけていてくれたり......。私たちの暮らしがどんどん自動化されていっていますが、あれは「すべて」プログラミングによる恩恵です。逆に言うと、あれらすべてをどこかのプログラマさんが作っているわけです。
プログラミングができる人口の割合は世界的に見て年々増加しているのに、需要の成長スピードが更に上回っているのです。IT先進国のアメリカだけで見ても2020年にはなんと100万人のエンジニアが不足するとされています(NPO団体 Code.org 調べ)。
あらゆる分野においてIT化が進む現代、いかにIT人材を創出できるかが国の将来を握る鍵というわけです。
そんな中、各先進国ではさまざまな形でプログラミング義務教育化に力を入れており、最近スタートアップで賑わうイギリス、Skype発祥の国エストニア、世界的に教育水準の高いフィンランドなどは小学校から義務教育としてプログラミング学習を取り入れています。「国語 算数 理科 社会 プログラミング」みたいなイメージですね。
驚くことに、世界の先進国では国によってはすべての5歳児が実際にプログラミングし、12~13歳を超える頃には大人レベルのプログラミングができ、世界を変えるサービス開発に関わる子どもがいる未来が、すぐそこまで来ています。
日本でもIT人材不足は同様に問題視されており、2030年には約80万人分不足するという調査結果があります(経済産業省 調べ)。また各IT企業への調査でも、87%もの企業でIT人材が不足しているとの回答があるそうです。
そうした中、実は日本でもアベノミクス第三の矢(政府の成長戦略)として2012年から中学校でのプログラミングの義務教育化が始まっており、中学校3年間で82.5時間以上を必修としています。私が学生の頃にあった技術家庭科の授業(ノコギリで板を切ったり裁縫セットでナップサック作ったりしてたアレ)が、それに代わるようですね。
ただ2017年現在、この施策は「教える側の人材が不足」していることにより行き詰まっています。
当然ですよね、現在教師の方が教員試験を受けた際、プログラミングが含まれていなければ、いきなり国策として義務教育化を始めても、現場がついていけるはずがありません。
そんな問題もあり、今では複数の学校から「カリキュラムの一部として」または「留学という選択肢として」エンジニア留学を使用したいとお声掛けをいただきます。校内でゼロから作るより、外部で完成されたものを使うほうが費用対効果も高いですよね。
私ももう5年近く高校生以上の方を対象にプログラミングの講義をしていますが、難しいことを分かりやすいように教えるのは、プログラミング学習自体よりも更に難しかったです。プロのプログラミング講師を育てるのは、そのくらい難易度が高い。
そういった問題を今後解決していき、近い将来、日本全国の小中学校にネクシードのカリキュラムが導入されている! なんてことを想像しながら毎日ワクワク事業を作っていたりします。
少し話が脱線してしまいましたが、日本の中高生の感覚もひと昔前とはずいぶん変わってきているようです。
というのも、「将来なりたい職業ランキング2017 男子中高生の部 第1位」がなんとITエンジニア・プログラマだったのです!(ソニー生命 調べ)
パイロットやサッカー選手、はたまたキムタクでもなく、プログラマ。ここ最近で一番衝撃を受けたニュースでした。ただ、すみません......現状、君たちが満足できるだけのプログラミング学習環境をまだ提供できていません。頑張ります。もっと。なんか困ったことがあったら相談してください。なんならセブまで来てください。海を見ながら熱く語りましょう。
余談ですが、最近興味深い内容が。
そうです、今後近い将来AIロボットが学校に導入されることで、教師という「教える」職業がなくなるのではないか、というもの。これには、いち講師としてちょっとビビりましたが、エンジニア育成を続けてきた側の知見として、「それはないな」と感じています。もっと言うと、なくなりはしない。クラスや指導のスタイルが変わるだけかなと。
AIにはいくつかレベルがあり、そのAIが機械学習によってか、または深層学習によってできたものかによって能力にかなり差があるみたいです。今のところ深層学習AIが高レベルなAIと言われているみたいですが、ナマの人間が教師をやるように、生徒たちの感情やその時の精神状況、苦手な部分などを汲み取りながら最適な答えに導くなんてことができるようになるのは、まだまだ先かなと(このことはSiriちゃんが前回証明してくれましたね)。
ただ、AI(というかコンピュータ)は大量の情報を記憶することに大変優れ、しっかりとした問いを投げれば何でも教えてくれる。その点では人間の教師よりも物知りなわけです。ここで教師は「知識を授ける」のではなく、生徒からベストな疑問を生み出しAIに対して問いを投げられるようサポートしていくファシリテーターとなり、先に待つIT社会で高度な技術を「有効活用できる人」を育てていく、というのが今後求められる教師像なのではないでしょうか。
物知りなAI博士と、最高のファシリテーターがクラスを作るスタイルが、ロボットと人間が共存できるキラキラした未来を作っていくのでは、と思います。
僕が日本から初めてセブに移り住んだ際、最も衝撃を受けたのが貧困格差でした。日本並に発展した街でも、ひとつ隣の路地に入るとストリートチルドレンたちがその日の飯代を求め、道端で寝ている。「あぁ、アジアだな」なんて最初は呑気に感じていましたが、貧困格差も突き詰めれば、元は教育に原因があります。
今回の記事はひとつの例として挙げましたが、教育、ことIT教育で変えられる世界は周りにたくさんあります。
一度きりの人生、男として生まれたからには誰でも、世界を変えるヒーローに憧れたことがあると思います。
死ぬまで全力で! 常夏のセブからでっかい夢をもってこれからも頑張っていきます!
おしまい。
ありがとうございました。
Ambassadorのプロフィール
Shinya Hirai
1990年生まれ、兵庫県出身。大学休学中に独学でフリーランスエンジニアに。WiFiとPCさえ揃えば世界中どこででも仕事ができる環境の中、さらなるスキルアップの場を探していた際にフィリピン・セブ島で語学スクールを運営するネクシードと出会い海外進出。 自身の経験からプログラミング学習難易度の高さを強く感じ、多くの人に最適なプログラミング学習環境を提供すべくアジア初のIT×英語スクール「エンジニア留学」を立ち上げる。