こんにちは。ベトナム・ブンタウ(Vung Tau)在住の薮下です。
やってみたいことや夢を諦めてばかりだった大学生活を悔いて、一つひとつ夢を叶えていくことを誓った自分。
外国人の友人を作ったり海外旅行に出かけてみたり、また次なる夢として建築士資格の勉強も始めて1年が過ぎた頃、再び人生の転機が訪れました。
突然訪れた、海外生活への転機
▲無職時代に乗り回していた愛車「アラレちゃん」
それはある人のFacebookの投稿でした。
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【ボランティア日本語教師@ベトナム募集中!】
私のフエ時代の学生が、現在ベトナム南部のバリヤブンタウ省にあるバリアブンタウ大学で日本語教師をしています。
現在、3ヶ月から6ヶ月(1年以上も可能)の日本人の日本語教師を募集しているとのことです。
以下が条件みたいです。
・ビザ手配
・無料の部屋を貸出(エアコン・インターネット・パソコン・テレビ・シャワー付き)
・給料も出ます
・対象者は大学卒業した方 とのこと。
バリヤブンタウは石油が出る関係でベトナムで一番GDPが高いところとして有名です。
最近、日系企業の進出もあり発展の余地がかなり見込める土地だと思われます。
9月卒業して、半年時間がある方などにおススメです。
興味ある方は川村までメッセージください!かしこ
川村
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(※この「川村」さん という方は、母校の大先輩であり「カネなし、コネなし、海外生活経験なし」の中、ベトナムへ単身で行かれ、フエ・ダナン・ホーチミンと活動拠点を広げ、ホーチミンの「花の2区」にお住まいです。今も、川村さんなしにはベトナムで生きていられないくらいの僕の人生の恩人です。)
▲川村さんと出会った初日(川村さん:上段1番左、筆者:上段右から2番目)
建築士の勉強で必死の僕でしたが、この投稿を見た瞬間ハッとしました。
「海外生活という夢が叶うかもしれない」
「外交官のように国と国を繋ぐ仕事ができるかもしれない」
そのとき、毎月3万円の借金を返済しながら、貯金残高5桁の経済状況。
大学時代の僕ならこう思ったでしょう。
「お金があればできたのになあ」
でも、そんな人生は辞めました。
ひとつの夢に挑戦しているときに、ふたつの夢を同時に叶える転機が来たのです。
そのチャンスを誰が見逃すでしょうか。
「立ち止まらない。振り返らない。怖がらない」
気づいた時には、返信のメッセージを送り終えていました。
正直、この後どうしたらいいのか分からなかったのですが、僕の人生が今までの人生の歯車とは違う歯車で動いているのを感じました。
上京して初めて、自分自身の心のなかに潜む恐怖に勝った、そんな実感を得ました。
(以下原文ママ)
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川村さんへ
はじめまして!Facebook上でフレンドの薮下成仁です。
川村さんの、日本語教師を探しているという投稿をみて、ぜひやりたいです!
僕は、昨年9月に早稲田大学政治経済学部を卒業し、現在は一級建築士の資格を取るべく製図の勉強を独学でしています。
予定では、来年の春より通信制の大学に編入学し、設計事務所でバイトをしながら2年で大学卒業し、
二級建築士資格取得とともに、設計事務所で働くつもりです。
それで今回、川村さんのお話に非常に興味があります。と言いますのも、僕は大学1年生(2008年秋)より4年間、道塾という学習塾でこの身を投じてきました。
在学中は、「卒業後も教師として仕事をしていこう!」という意志で、就職活動も教育一本でやってきました。
京セラ、KDDIを創った稲盛さんのような熱い魂で、教育業に携わりたいと思ってきました。
その気持ちはもちろん、今も変わりません。
でも、どうしても子どものころからの夢であった建築士という職にも携わりたくて、建築設計の道も自分の選択肢内にいれて、今を生きています。
だからもちろん、川村さんの今回のお話を聞かなければ、大人しく設計の勉強しながらバイトをし、無事来年の春から通信制に通う予定でした。
しかし、川村さんの今回のお話がかなりアツいものなので、やってみたくてたまりません。
なぜなら、 僕は高校2年の頃から他の国で生活することに憧れてきたが、お金が無いことを言い訳にして、今まで諦めてきたから、今度こそ叶えたいという気持ちがあります。
今年の冬から来年の春まで、いや秋までなら、ベトナムという地で、教育業の仕事をしながら、建築の勉強も両立してやりたいです。
英会話能力なら、なんとかできます!
昨年夏に、Couch Surfingを通して1ヶ月に22人の海外旅行客を自宅に招き、拙い英語を鍛え、人生初の海外旅行として1ヶ月間スウェーデンに行きました。
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恥を捨てる覚悟で、一番避けたい道を選んだ
しかし、解決すべきお金の問題は深刻でした。
毎月3万円の借金返済があり、貯金は5桁。
この状態で、どうやって海外生活ができるでしょうか。
航空券、保険など、どれひとつも買えません。
あるとすれば、1年前に取得したパスポートだけです。
▲ビールを片手に、友人の家に突然押しかけて悩みを打ち明ける筆者(左)
「凡人には、凡人なりの努力の仕方がある」
自分をそう励ましながら、数日間、どうやってお金を準備すればいいかを考え続けました。
時間の経過とともに、恐怖が訪れました。もちろん、凡人に何かが突然閃くわけでもありません。
覚悟はもう決めていました。
そして、「もうこれしかないのかな」
一番選択したくない、人生で最も遠いはずの、ある結論に行き着きました。
「友人たちに頭を下げて回ろう」
大学時代、「恥」と「恐怖」を感じることから、ひたすら逃げ続けました。
大学合格という小さな成功体験を手にした小僧の僕は、ぶくぶくと膨らんだ自負心を傷付けないように、言い訳を口にするばかり。
「恐怖と恥、このどちらかがあれば、何でも諦めることができる」
自慢ではないですが、そう明言できるほどこのふたつに負け続けたのが、僕の大学時代でした。
だからこそ、あえてこの選択肢を選びました。
「ベトナムに行きます。どうか餞別いただけないでしょうか」
人生で初めての体験でした。
「僕の人生のために、僕を助けて下さい」
頭を下げ続けて、3週間近く回りました。
航空券や保険、数ヶ月分の生活費が貯まる頃、僕の心は涙でいっぱいになりました。
人から恩恵を与えられることが、これほど苦しいなんて。
「自分の人生は、自分のためだけのものではないんだ」
この実感が、これからベトナムで起こる数々の偶然を生み出したことは、この時の僕には知る由もありませんでした。
<ライタープロフィール>
ABROADERS 薮下 成仁 / Yabushita Naruhito
2012年9月、早稲田大学政治経済学部卒業。"新卒切符"を捨て、無職。諦め続けた大学時代に終止符を打ち、諦めない人生を送ることを決意。2013年12月に渡越し、地方私立大学ボランティア教員として就職。2014年7月、JICAとベトナム共産党の推薦を頂き、地方県庁計画投資局のベトナム地方公務員に。座右の銘「人は生まれながらにして自由であり、自らの人生を選び続ける責任がある」
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