きょうだい児とは、障がいや病気をもった子の兄弟姉妹のことをいいます。我が家では、こもたろが自閉症という障がいをもって生まれているので、お姉ちゃんが「きょうだい児」になります。
きょうだい児というのは常日ごろから、我慢を重ねているところがあります。
例えばお片づけ。姉弟でオモチャを使って遊んだ後などにはお片付けをしますよね。私が夕飯の支度などで忙しいときなど「片づけておいてね」と声をかけて部屋を後にしていたのですが、お姉ちゃんは「私が全部やらなくちゃ」と頑張って一人で片づけていました。ほんとうは２人で片づけるべきでなのですが、こもたろが片づけの要領が分からなくて、結局ひとりで片づけなければならなくなるからです。
他には公園に遊びに行ったとき。お姉ちゃんの仲の良いお友だちがいて、一緒に遊んでいるときに、こもたろが入り込んできて、そのお友だちに話しかけますが、うまくコミュニケーションがとれません。
お友だちに戸惑われ、お姉ちゃんがいづらくなることもありました。
こんなこともあります。お姉ちゃんが買ってほしいお菓子があって、それを親に「買って」と頼んでも、我が家はなんでも買ってあげる方針ではないため、「今日はダメだよ」と言うことがあります。でも、こもたろが欲しがるときは、パニックを避けるためもあって、結局は折れて買ってあげることになることがあります。結果としては、お姉ちゃんも一緒に買ってもらえるのですが、「お姉ちゃんが言うとダメなのに、こもたろが言うときはいいんだね。」というように感じているかもしれません。
お姉ちゃんがいろいろと割を食うのは日常茶飯事。親もどうしても手のかかるこもたろの方に意識がいってしまいます。生活の自立もまだまだなので、色々と手助けが必要です。目を離せないところがあり、ついついこもたろばかりを追ってしまう時があります。
同じことができても、お姉ちゃんが出来るのは当たり前。こもたろのときはいつも褒められるのに。いつの間にか、「お母さんもお父さんもお姉ちゃんのことが好きではないのかな」と本人に思わせてしまっている面があるかもしれません。
あるとき、お姉ちゃんが自分の中の後ろ暗い気持ちを打ち明けたときがありました。「こもたろなんていなくなればいいのに」と。でも、「こんなこと思って、ほんとにこもたろがいなくなったらどうしよう」と言い、泣きじゃくりました。根はほんとうに優しい弟思いの子なんです。それを聞いて、私も夫も反省しました。障がいのあるなしに関係なく、姉弟は平等に扱わなければと思っていても、それができていませんでした。
こうして普段の生活でお姉ちゃんにいろいろ負担をかけていることをフォローするために、ときおり両親のうちどちらかがお姉ちゃんだけを映画に連れて行ったり、買い物をしたり、食事をしたりしていました。
実は我が家では、より良い支援教育を受けられるように、こもたろはお姉ちゃんとは別の小学校に通わせています。このような中で私は今お姉ちゃんが通う方の小学校のPTAの役員をやらせていただいています。実は１学年の時に学年委員を務めたので、役員とかそのようなことはもうやらなくていいのですが、お姉ちゃんとの関わりを増やしたい気持ちから、役員のお仕事を引き受けさせていただきました。
役員になったことで小学校へ行く機会が増え、休み時間などよく廊下ですれ違います。その時のお姉ちゃんは、とても嬉しそうに手を振ってきます。お姉ちゃんの元気な顔を見たいので、お姉ちゃんが卒業するまで、役員は続けていくつもりです。
でも、こうした配慮でお姉ちゃんのケアにも努めていくことも大切ですが、やはり普段の生活でもお母さんもお父さんもお姉ちゃんのことが大好きだよ、安心していいんだよ、と伝わるように、ささいなことでも褒める、ありがとうと伝えるなどしていきたいと思っています。
ママのイラスト日記〜息子は自閉症〜
息子が自閉症と気づくまで ママの葛藤（1）(01 of15)
Open Image Modal息子が自閉症と気づくまで ママの葛藤（１）―『息子は自閉症。ママのイラスト日記』\n\n我が家の長男坊、こもたろは自閉症です。現在は幼稚園児。２歳上のお姉ちゃんがいます。こもたろが自閉症とわかるまでを描きたいと思います。 (credit:すくすくパラダイスぷらす)
息子が自閉症と気づくまで ママの葛藤（2）(02 of15)
Open Image Modal息子が自閉症と気づくまで ママの葛藤（2）―『息子は自閉症。ママのイラスト日記』\n\n\nもたろが「広汎性発達障害」かもしれない。その思いは強くなっていきました。意を決して、通っていた\"ことばの発達教室\"のT先生に打ち明けました。 (credit:すくすくパラダイスぷらす)
療育開始（こもたろ３歳）(03 of15)
Open Image Modal療育開始（こもたろ３歳）―『息子は自閉症。ママのイラスト日記』\n\n\nどうしてだろう。どうしてこの子は、事あるごとに泣き叫ぶのだろう。クラスのお友だちは、誘導のまま教室を出ていく。でも我が子は、ひとり泣き叫びながら額を床に打ち続けました。 (credit:すくすくパラダイスぷらす)
ママ友だちの輪(04 of15)
Open Image Modalママ友だちの輪―『息子は自閉症。ママのイラスト日記』\n\n\nこもたろの発達障害がハッキリする頃、私にはひとつの悩みがありました。それは、ママ友だちの輪にいることができない。 (credit:すくすくパラダイスぷらす)
父の気持ちの変化(05 of15)
Open Image Modal父の気持ちの変化－『息子は自閉症。ママのイラスト日記』\n\n\n夫に何度か相談しました。そのときの夫は「まだ判断するのは早いんじゃないか」「そう思い込んでるだけじゃないのか」当時はそのような事を言っていました。 (credit:すくすくパラダイスぷらす)
心を開いて話せる友人(06 of15)
Open Image Modal心を開いて話せる友人－『息子は自閉症。ママのイラスト日記』（６）\n\n\nこもたろの発達障がいに気付いたときから、今思える、よかったこと。それは心を開いて話せる友人ができたこと。 (credit:すくすくパラダイスぷらす)
一度だけ。(07 of15)
Open Image Modal一度だけ。－『息子は自閉症。ママのイラスト日記』（７）\n\n\n息子が３～４歳のころ。当時は私もいっぱいいっぱいになる瞬間があり一度だけ、息子に涙ながらに訴えたことがありました。 (credit:すくすくパラダイスぷらす)
両親への告知(08 of15)
Open Image Modal両親への告知－『息子は自閉症。ママのイラスト日記』（８）\n\n\n息子の発達障がいが分かってから、ひとつ悩んだことがありました。「私の両親にどう伝えよう。」孫が発達障がいだなんて知ったら、どう思うか。 (credit:すくすくパラダイスぷらす)
感謝。(09 of15)
Open Image Modal感謝。－『息子は自閉症。ママのイラスト日記』（９） \n\n兵庫県に住んでいる母（お婆ちゃん）が、私たちの住まいがある千葉県に来てくれました。数日千葉で過ごし、いよいよ兵庫へ帰る日。みんなで東京駅へ見送りに行きました。 (credit:すくすくパラダイスぷらす)
わかってないかもしれないけど(10 of15)
Open Image Modalわかってないかもしれないけど－『息子は自閉症。ママのイラスト日記』（10）\n\n\n「どうして、こもたろくんは他の子と違うの？」\n疑問に思った時が伝え時。そう思った母ちゃんは、お姉ちゃんに、弟のことを伝えました。 (credit:わくわくパラダイスぷらす)
就学について(11 of15)
Open Image Modal就学について――『息子は自閉症。ママのイラスト日記』（11）\n\n\nこもたろは３歳になっても、言葉が出ない子でした。喋ることと言えば「コヨコヨコヨ...」。 (credit:すくすくパラダイスぷらす)
療育と躾の狭間(12 of15)
Open Image Modal療育と躾の狭間－『息子は自閉症。ママのイラスト日記』（12） \n\n\n我が家の長男、こもたろが自閉症とわかったとき、療育園へ通うようになり、家庭でも療育を出来る限りやるよう心がけました。 (credit:すくすくパラダイスぷらす)
恩師と会って(13 of15)
Open Image Modal恩師と会って－『息子は自閉症。ママのイラスト日記』（13） \n\n\n保護者から絶大なる信頼のある恩師が「是非やってほしいことがあるんだ」と語ったのは… (credit:すくすくパラダイスぷらす)
消さないで(14 of15)
Open Image Modal消さないで－『息子は自閉症。ママのイラスト日記』（14） \n\n\n子どもの幸せを決めるのは、大人じゃありません。その腕の中にいる、子ども本人です。 (credit:すくすくパラダイスぷらす)
きょうだい児について(15 of15)
Open Image Modalきょうだい児について－『息子は自閉症。ママのイラスト日記』（15）\n\n\n障がいのあるなしに関係なく、姉弟は平等に扱わなければと思っていても、それができていませんでした。 (credit: |すくすくパラダイスぷらす)
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