2歳の子どもに授乳するのは「気持ち悪い」?バッシングされた母親が「信じられない」

女性たちは、あまりにも早く授乳をやめると「ひどい母親」と言われ、ちょうど良い時期にやめなければさらに悪い評価を下される
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イギリスのグラスゴーに住むエマ・オドネルさんは10月、2歳の我が子が母乳を欲しがる動画をTiktokに投稿した。

動画の意図は離乳の大変さを伝えることで、オドネルさんは「離乳クラブ最初のルールは、絶対に座らないこと!」と冗談まじりのコメントを添えていた。

まさか、その動画がバッシングされるとは想像もしていなかった。

オドネルさんによると、2歳の子どもが母乳をほしがることに不快を感じた人たちから、批判が殺到。

「自分で飲み物を買えばいいのに」「彼が親元を離れて大学に行くのはいつ?」といった皮肉や「気持ち悪い」「見たくない」という辛辣なコメントが書き込まれた。

オドネルさんは翌日、別の動画で「今朝起きて驚き、開いた口がふさがりませんでした」「こんなにヘイトで目覚めるなんて信じられません」と、ショックを伝えた。

早くても遅くても批判される

世界保健機関 (WHO)は、授乳を2歳もしくはそれ以上の年齢まで、と推奨している。 育児インフルエンサーであるオドネルさんは「7歳になるまで母乳を与える文化もある」と動画で説明する。

しかし、オドネルさんは「気持ち悪い」だけではなく「間違っている」「深刻な問題だ」さらには「収監されるべき」など強い言葉で批判された。

これは、オドネルさんだけに対する反応ではない。授乳する女性たちは、卒乳を巡り周りからあれこれ言われる。あまりにも早くやめると「ひどい母親」と言われ、ちょうど良い時期にやめなければさらに悪い評価を下される。

そのため、周りの目を気にして、望むより早く離乳させる女性もいる。2021年の調査では、多くの女性が1歳半以降の授乳を隠していた。

調査によると、長期間授乳する女性たちに対し「体重を減らすため、スリムな体型を保つため、胸を大きくするため、自分の喜びのため」など、自己中心的な理由で続けているかのような批判があった。

また、他の母親から厳しい目を向けられることもある。

ある母親は、授乳を長期間続ける女性に怒りを表明。4歳の子どもにおっぱいを与えている友人のことを「気持ちが悪い」「異常」さらには「近親相姦」と厳しく批判した。

しかし、長期間授乳する母親の多くにとって「自分のため」という批判は、見当違いだろう。

長期間授乳する母親の中には、子どもが自ら止めるまで待とうという人や、出産直後にうまく授乳できず卒乳の準備に時間がかかるという人もいるかもしれない。

さらに、子どもに母乳のメリットを長く享受してもらいたいと望む人もいるだろう。

1歳を超えた後の授乳により、赤ちゃんが食事以外の栄養素を得られるだけではなく、免疫力が向上することがわかっている。さらに、母親の乳がんや卵巣がん、高血圧、心臓病、糖尿病のリスクを軽減するという利点もあるとされる。

オドネルさんは、長期的な授乳をバッシングする人たちに、次のようにコメントしている。

「申し訳ありませんが、この動画が気に入らず、母親と2歳の子供の関係を性的なものとして見るのなら…それは私の問題ではありません」と述べる。

ハフポストUK版の記事を翻訳しました。