フリーランスって、本当に働きやすい? メリット・デメリットを聞きました

朝のドタバタから開放されるが、土日が仕事になることも
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フリーランスと聞くと、好きな時間に働ける上に、会社内の面倒な人間関係からも開放され、服装やメイク等のドレスコードもなく、子育て中のママには最高の働き方! というイメージがありますよね。確かに、通勤もないし、仕事はある程度自分の裁量でできるので、時間に融通がききやすいのは事実でしょう。しかし、もちろんメリットばかりではありません。

今回は、フリーランスで働くママたち3人に、フリーになった理由やメリット、デメリットなどを伺いながら、フリーランスの働き方について考えていきたいと思います。

仕事量の調整がしやすい反面、収入ゼロになる恐怖も

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〔Iさん/子ども6歳、3歳/雑誌の編集者・ウェブライター〕

フリーランスを選んだ理由は?

結婚を機に引越し、それまで勤めていた出版社を退職しました。そのまま転職してもよかったのですが、子どももすぐに続けてできたので、2人の子育てをしながらできる間に少しずつ...... と動いてきた結果、フリーランスになりました。今も「子どもが小さいうちは、たくさん関わりたい」という思いがあるので、自分のできる範囲内で仕事をしています。会社勤めだとそこまで自由に動けないと思うので。

フリーランスのメリットは?

自分次第で仕事量を調節できる点ですね。たくさん仕事をしたければガンガン動いて営業すればいいし、あまり手いっぱいになりたくなければ現状のお仕事をコンスタントに続けていけばよい。平日に親の参加行事が多い幼稚園に通わせながら、好きな仕事を続けられているのは、自分の生活スタイルに合っていると思います。そういう意味ではストレスフリーかな。子育てや教育などの悩みは色々ありますが(笑)

逆に、フリーランスのデメリットは?

それはもう、いつ仕事がなくなってもおかしくない点です。立ち上がったばかりのサイトが閉鎖されたり、クライアントが突然撤退しちゃったり...(苦笑) でも、いちいち凹んでいても仕方ないので、そこはすんなり諦めて、他の仕事でつなげるしかありませんね。でも人のつながりって、意外なところでさらにつながりを広げてくれることも多いので、ありがたいです。

細々とでもキャリアを継続できる

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〔Hさん/子ども4歳/広告やインタビュー記事の執筆〕

フリーランスを選んだ理由は?

元々正社員でライターをしていましたが、夫が出張続きで完全なワンオペ育児状態となり、正社員を続けられなかったからです。ライターの仕事は好きだったけれど、メーカーの専属だったため、書く内容がいつも同じ感じになってしまい、飽きていたこともありました。フリーになるのを機に、自分のペースで好きなことを続けられたらいいな、とも考えていました。

フリーランスのメリットは?

時間と場所を選ばず続けられることです。夫の仕事の都合で一時期ドイツに住んでいましたが、その時も普通に仕事をしていました。たとえば、日本で発行する求人誌の原稿をドイツの台所で豚の角煮を煮込んでいる間に書いたり、旅行サイトに執筆したり。仕事のおかげで、海外で孤独感を覚えることはありませんでした。また、細く長く働き「続け」られること。会社員は退職したら終了ですが、フリーランスは収入がわずかでも、仕事を継続することができます。現在は、将来に向けて種まきをしているという感覚でのんびりやっています。

それから、時間の融通が効く分、平日に友達とランチをする時間がとれるのも嬉しい!

逆に、フリーランスのデメリットは?

取材などで外出する日に、子どもが風邪を引かないか、毎回ヒヤヒヤすることですね。会社員と違って、代打がいないのが最大のデメリットだと感じています。どうしても子どもを誰かに見ていてもらわなくてはならないときは、当日でも100%対応してくれるベビーシッターサービスを利用していました。でも、シッターさんは依頼してから到着まで最長で3時間ほどかかるので、午前中のアポイントは基本的に入れないようにしていました。

また、オン・オフの切り替えが難しく、子どもが帰ってきても仕事を持ち帰っている会社員状態になることもあります。逆に、「いつでもできる」と思い、日中ダラダラしてしまうこともありますね......

朝のドタバタから開放されるが、土日が仕事になることも

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〔Kさん/子ども4歳/編集、ライター業〕

フリーランスを選んだ理由は?

理由はひとつではないのですが...... 会社員時代、毎朝時間に追われ、子どもに「早く!早く!」とイライラしながら言う自分に嫌気がさしたのと、家と会社が遠く、通勤時間を無駄に感じたのが大きな理由です。もう少し、子どもの生活に自分が合わせられるようにしたいなと感じたので、退職してフリーランスへ。また、会社員として仕事を続けると、育休・産休をブランクと捉えられ、せっかく積み上げてきた産前のキャリアがもったいないと思ったのも理由です。

フリーランスのメリットは?

自由度が高いところですね。やる、やらないを自分で決められるところ。あとは、平日休みにするとか、子どもの様子の変化(保育園行きたくない等)に対応できるとか、ある程度融通がきかせられるところです。

逆に、フリーランスのデメリットは?

いつ仕事がなくなるかわからないところですね。また、「断ったら、次の仕事がなくなるんじゃないか」という気持ちから、意外と仕事を断りづらいケースも多いことです。

それから、たまに「フリーランスだからもちろん土日も働けるよね?」みたいな意識のある人と仕事を一緒にすると地獄をみます(笑)

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イメージ通り、フリーランスは、自由度が高く、状況に応じて仕事量を調節したり、子どもの行事に合わせやすい、という点がメリットのようでした。それを逆に、仕事相手に「いつでも仕事をできる」と思われると、土日のみならず、深夜でも仕事を依頼してOKと捉えられるのはデメリットですね。

また、会社員と違ってフォローし合える仲間がいないことや、突発的な休暇が取りづらいことに加え、「いつ仕事がなくなるかわからない」という不安感が常につきまとうことは、フリーランスの短所です。

フリーランスという働き方を選択する前に、これらのメリット・デメリットを考慮して、自分にとって本当に理想の働き方なのかどうか検討すると良いでしょう。

【田崎 美穂子】

元大学出版会編集者、大学生向けのテキスト編集を担当。小学校5年、3年、1歳児の母。ママ友ネットワークを駆使した共感できる記事を執筆。

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