人生100年時代、素敵な年の重ねかたは?⇒パリジェンヌの答えは「今に生きること」

パーフェクトでなくていい。
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「人生100年時代」といわれるようになりました。

アラフォーで渡仏した私の目に映るパリジェンヌたちは、年齢問わず楽しそうでした。とりわけ、おばあちゃんのパリマダムは、若い人とは違う輝きを持ち、この先も続くであろう人生の希望を見出させてくれました。

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Yoko Yonezawa

そんな彼女たちに、「すてきに年を重ねるにはどうしたら良いの?」と質問したとして、答えは容易に想像できます。

「ありのままでいること」「自然に任せる」......。

だからといって放ったらかしでなく、ちゃんとお手入れもしつつの「ありのまま」です。

美容大国フランスですが、お手入れはたいてい、乾燥する気候に対応したスキンケアを日々重ねるだけという堅実さです。

パリで暮らしてみて、旅行ではありえなかった数々の「痛い目」にあった私が感じたのは、美容よりも、見かけよりも、問われるのは「中身」だという現実。

これもそれほど難しいことでなく、実年齢に見合う考え方や価値観です。

20代は、大人女性デビューに位置します。仕事も恋愛も自分中心に考えて当然。

30代は母親にもなる世代でもあるので、自分プラスαのことを考えられるように。

40代になれば、人に世話を焼くようにもなります。

フランスでは、ここからが女性としてもっとも素敵な時期なのです。

身体と心のあり方がちょうどよく熟した果実のようで、同性異性問わず方々からもてはやされる、社会的モテ時期です。自分と他人の気持ちを重んじつつ、半々で物事を考えられる人になれば、社会の中心となりうるのだと感じました。

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Yoko Yonezawa

私の「痛い目」とは、40代でありながら、20代のままでいたことが原因でした。自己中心的な物事の進め方は、パリでは通用しませんでした。

たとえばカフェで休憩する時だって、自分だけ快適ではいけない。お店側へのリスペクトがあって当然で、「MERCI」(ありがとう)のお礼のひとことは忘れてはなりません。それは言葉の「チップ」を残す感覚で、大人の配慮とも思えます。

そんな40代が果実ならば、50代以降、このまま枯れていくだけの人生かも、とうなだれていた私でしたがこれが間違い!

フランス女優は、お母さんや祖母という立場でなく、「ひとりの女性」としてのポジションで、きちんと主役を得ています。

2017年に89歳で亡くなった女優のジャンヌ・モローは、若かりし頃の妖艶な外見から年を重ね、おばあちゃんになり、声までもが「しわがれ」ていたのですが、そのまま80歳を過ぎてから映画『クロワッサンで朝食を』に主演しました。

私物だというシャネルの衣装は、観ている私たちに、彼女のキャリアを肯定させ、たたずまいをより一層輝かせる小道具となっています。

小道具、と表現したのは、映像で存在感を放つのはジャンヌ自身だからです。

映画のストーリーとはいえ、驚いたのは彼女が恋をしていたこと。恋敵に嫉妬もしつつ、後半には「粋な計らい」を見せています。自分を犠牲にすることだって経験済みの、老齢ならではの粋な生き方なのです。

また、老齢ゆえの自由奔放な振る舞いもあります。でも、最後は口角を上げ、にっこりと聡明な微笑みで、皆をハッピーにできる能力が携わっています。

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Yoko Yonezawa

40代の「果実」の頃を過ぎ、どんどん経験を積んでシワを刻み、歳を重ねてもなお別の輝きで美しくある女性像が見えてきませんか?

しかしながら、人生はひとっとびできませんよね。その域に達するまでは時間が必要です。

パリジェンヌのありのままとは「今に生きること」。

「今」このときに流れている時間は戻らない。

だから、先の人生設計はぼんやりでいい。

それよりも目の前のできることを、ひとつひとつクリアするのが最優先。

たとえば、コーヒーが目の前にあるならば、ちゃんと味わって飲むこと。5分でいいから休憩すること。そして、マグカップをキッチンに戻し、きれいに洗ってクロスできゅっきゅと拭くこと。

パリジェンヌ流の、化粧水のみの保湿ケアも、彼女らの目線で言えば、「今できることリスト」のひとつ。日課にし、積み重ねていくことに意義があります。

パーフェクトでなくていい。毎日の生活の「あたりまえ」をおろそかにしなければ、自然にパリ流エイジングになりえます。

......

3月8日は国際女性デー。女性が生きやすい社会は、男性も生きやすいはず。社会の仕組みも生き方も、そういう視点でアップデートしていきたい。#女性のホンネ2018 でみなさんの考えやアイデアを聞かせてください。ハフポストも一緒に考えます。

米澤よう子 東京都生まれ。グラフィックデザイナーとして広告制作会社に勤務後、イラストレーターとして独立。化粧品パッケージや広告キャンペーン、女性ファッション誌、CM、書籍装画などで活躍。2004年から4年間、活動拠点をパリに移し、高級百貨店LE BON MARCHE(ボンマルシェ)で個展を開催するなど、多彩な活動を行なう。パリ在住の経験を生かした著書、商品企画、フレンチブランドとのコラボレーションなどさらに活動範囲を広げている。『パリ流おしゃれアレンジ!』シリーズ、『パリジェンヌ流シンプル食ライフ』『ねことパリジェンヌに学ぶリラックスシックな生き方』『フランス流捨てない片付け』など著書多数。