バイセクシュアル同士の結婚はうまくいくの? 私の経験を紹介します

妻と私は、ふたりともバイセクシュアルです。
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「実際、セックスはどうなのですか?」

「誰が何をするのですか?」

「ふたりと一緒に私も......なんてダメですよね?」

妻と私は、もう何年もにわたり幸せな結婚生活を送り、ふたりで数多くの冒険をしてきました。周りからは、上に挙げたような質問をよく聞かれます。このような質問を投げかけてくる人の多くは、バイセクシュアル同士の結婚がどのように成り立つのか興味を持っていて、また人によっては、バイセクシュアルのカップルと、そういう(性的な)関係になることに興味がある人たちもいます。

確かに、このような質問をいきなり投げかけられることを唐突だなと感じることはあるけれど、本当にバイセクシュアリティを理解したいという人たちに対しては、いつも会話に応じたいと思っています。

言い換えれば、私は、バイセクシュアル同士の結婚が、どうしたらうまくいく可能性があるものか、注目してもらうのは良いことではないかと思っています。この「うまくいく可能性がある」という言葉を覚えていてほしい。これからみなさんに、私自身の経験に基づいたことを伝えたいと思います。

付き合うということは、それぞれの人の数だけ個性的で様々なかたちがあり、十人十色だと理解することが大切です。それはバイセクシュアル同士の結婚においても変わらない。カップルによって、異なる向き合い方があるのだから。

■セックスと性的な流動性

妻と私は、ふたりともバイセクシュアルです。同時に、私たちはふたりとも、自分自身の性的な流動性を体験しています。この表現をあまり聞き慣れない人も多いでしょう。性的に流動的な人は、人生の中の様々なタイミングで、惹かれる性が変化します。異性に惹かれたり、同性に惹かれたり、またはその両方に惹かれたり、その度合が揺れ動くのです。

これは、私たちのセックスにおいて、どのような意味を持つのでしょうか。

・ふたりとも、お互いの心と身体を楽しむ。

お互いの心と身体に惹かれ合っているということが、私たちにとっては最も大切です。精神的なつながりと肉体的なつながり、それぞれを通してお互いを理解しているから、私たちには、結婚生活の土台となるお互いへの深い愛情がります。

・お互いのバイセクシュアリティとして性的流動性を楽しむ。

私は、妻が異なるジェンダーを魅力的だと思うことを、とても神秘的で素晴らしいことだと感じています。そして、妻が私のことを同様に感じてくれていることを、とても幸せだと感じています。私たちにとって、お互いのことをこのように感じられることは、自分たちらしくいるために必要不可欠なことだから。

・ふたりが(性的に)惹かれることが共通していて、いくつもある。

異性同士の性的関係がうまくいくには、何か共通するところがなければいけません。私と妻は、とても多くの共通点があります。もちろん、ふたりがともにバイセクシュアルであり、性的流動性があることはとても大きいです。しかしそれだけなく、性的な動画の好みなども似ています。

・様々な可能性を受け入れる。

私と妻は一緒になった瞬間から、濃厚なバイセクシュアリティはうまくいかない可能性があることに気づいていました。そして私たちは、お互いに対して誠実でいることは、肉体的ではなく、感情的で精神的なことであると信じています。だから、肉体的に他の人に惹かれるときは、お互いに相談し合います。でもどんなときも、まわりには結婚していることを、きちんと伝えるようにしています。

これらすべての要因が重なり合うからこそ、私たちふたりは多くを共有することができる。そして、あらゆる器官の中で、心が最も感度の高いものだからこそ、私たちのセックスは素晴らしいものなのです。

■課題と落とし穴

私と妻は、付き合い始めて早い段階で、自分たちの性的流動性は、ふたりの関係性を維持し、深めていくにあたって課題となりえることを学びました。だからこそ、お互いに対して、包み隠さず正直であることが必要なのです。そうでなければ、下記の様な落とし穴に引っかかってしまうから。

・お互いが同性に魅了される気持ちを満たすことはできない。

私は女性ではなく、妻は男性ではない。お互いが惹きつけられるすべてを、必ずしも自分で満たすことができるわけではない。だから、根本的にすべてを許容するのです。

・性の流動性は、予測もできなければ強要もできない。

私たちは、ふたりとも性的流動性を感じることがあるけれど、同じタイミングで完璧に一致したまま、ふたりの性が流動するとは限りません。だから、時間はかかりましたが、ふたりでこの問題を乗り越えるために行き着いたことがあります。

まず、自分たちの状態を包み隠さず相手に伝えること。次に、ふたりが共通して楽しめることを模索し、発掘すること。もしも共通して楽しめることがないときは、お互いに相手の自由を許し、自分たちの性的流動性のサイクルが再び近づくのを待ちます。

・心を抑えこむのはリスクだ。

過去に私たちは、お互いの性的流動性サイクルが合わないときに、お互いを傷つけたくないという潜在意識から、本当の気持ちを抑えこもうとしたことがあります。けれども、感情や欲求を抑えこむことは健全ではないし、ストレスや鬱憤が溜まる原因につながります。だから、自分たちの感情や欲求をきちんと認識することを避けてはいけません。それが一時的に、ふたりの性生活を分かつことになっても。

・でも互いにコミットするのも大切。

結婚生活において、第三者が関わってはいけないタイミングはあります。ストレスや人生に困難がふりかかるときも、特に理由なく、ただそうしたいと思うときも、ふたりだけで向き合うことは大切です。ふたりのどちらか片方でもそう感じれば、(第三者を閉め出し)ふたり向き合います。お互いに相手の想いを尊重しているから。

■なぜうまく行くのか。

どんな付き合いも、うまくいっている関係は、根底に、お互いへの深い感謝と、愛情と、信頼と尊重の気持ちがあります。私たちの関係性も例外ではありません。私たちの場合は、自分をすべてさらけ出し、私たちらしくいることが大切だから、その中で挙げるなら、最も大切なものはコミュニケーションと言えるかもしれません。

また、私たちふたりは性的に流動的だから、今日うまくいくルールが明日うまくいかないこともあるかもしれません。でも、自分たちの考えや感情、欲求などをきちんとお互いに伝え合うことで、バイセクシュアル同士の結婚の紆余曲折を乗り越えていけるのです。そして、私たちの素晴らしい人生という道のりを楽しんでいけるのだと思っています。

このブログはハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

あまり知られていない12の性的指向
アセクシュアル(Aセクシュアル、Asexuali)(01 of12)
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アセクシュアルの人は、「誰にも対しても、性的に惹かれることがない人」のこと。「Asexuality.org」は次のように説明する。「アセクシュアルの人は、人に対して美的な魅力を感じることはあっても、性的な欲求は感じないのです。中にはスキンシップなどの愛情表現をしたい人もいますが、性的ではないです。人に対して性的な欲求を経験しない人は、アセクシュアルの可能性があります」 (credit:Digital Vision. via Getty Images)
アロマンティック(Aロマンティック、Aromantic)(02 of12)
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Asexulity.orgによると、「アロマンティックの人は、人に対して恋愛感情を殆ど、または全く感じない人」だ。「人と精神的・個人的に繋がりたくないというわけではないですが、ただ単に恋愛的な関係を築きたい感情を持っていないだけなのです」。一般の人同様に、アロマンティックも、他の人との親密な絆を必要とすることもありますが、それらの願望はプラトニックな形で満足できます」。アセクシュアリティ同様に、「個人的な選択ではなく、先天性」なものとして見なされている。 (credit:Fuse via Getty Images)
グレーセクシュアル(Graysexual)(03 of12)
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「アセクシュアルと性的な人の中間にいるのがグレーセクシュアル」と、自身もグレーセクシュアルと自認するジャレッドは言う。女性のライフスタイル・ウェブサイト「The Frisky」は、同用語を「セクシュアリティとアセクシュアリティの間の、より流動的な性的指向」と定義する。グレーセクシュアルと自認する人たちの性的指向に関しては、ゲイやストレート、またはその他の性的指向何でもあり得る。 (credit:By Wunderfool via Getty Images)
デミセクシュアル(Demisexual)(04 of12)
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アセクシュアルについて情報を発信するサイト「Asexualityarchive.com」によると、デミセクシュアルの人たちの特徴は、「強い感情的な絆がすでに築かれている関係」の場合のみ、人に対して性的に惹かれることだ。「その絆は、恋愛感情に基いたり基づかなかったりする」と指摘する。その絆がない場合は、人に対して性的欲求を感じない。 (credit:Betsie Van Der Meer via Getty Images)
デミロマンティック(Demiromantic)(05 of12)
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上記の「デミセクシュアル」同様に、デミロマンティックの人は、「強い感情的な絆がすでに築かれている関係」の場合のみ、人に対して恋愛感情を抱く。それ以外は、抱かない。\n (credit:Caiaimage/Tom Merton via Getty Images)
リスロマンティック(Lithromantic)(06 of12)
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Asexulity.org」では、リスロマンティックの人は、「恋愛感情はあるが、両思いになりたくない人」と記述されている。実際に付き合うことに関しては、抵抗がある人と無い人がいる。\n (credit:Dougal Waters via Getty Images)
パンセクシュアル(Pansexual)(07 of12)
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パンセクシュアルとは、「性的・感情的・精神的に、全てのジェンダーの人と恋に落ちることができる」人たちのこと。\n (credit:DreamPictures via Getty Images)
ポリセクシュアル(Polysexual)(08 of12)
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「複数のジェンダーのタイプの人に惹かれる」ポリセクシュアルはパンセクシュアルに似ている。しかし全てのジェンダーに惹かれるパンセクシュアルとは違って、ポリセクシュアルの人は、「一部のジェンダーとは付き合う能力、願望がない」。 (credit:Dynamic Graphics via Getty Images)
パンロマンティック(Panromantic)(09 of12)
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パンロマンティックな人は、性的ではなくプラトニックな恋愛感情の面で、全ての性別やジェンダーの人に惹かれる。\n (credit:Asia Images via Getty Images)
スコリオセクシュアル(Skoliosexual)(10 of12)
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Genderqueerid.com」によると、スコリオセクシュアルの人は、「男性・女性に基づいた通常の性別の概念に当てはまらない人たちに性的に惹かれる人」、または自身がシスジェンダーではない人を表す。\n\n※シスジェンダー:生まれたときの性別と心の性が一致している人のこと。「トランスジェンダー」の逆の意味。 (credit:Leren Lu via Getty Images)
クィアプラトニック関係(11 of12)
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クィアプラトニック関係とは、「いわゆる恋愛関係ではないが、親密で感情的な絆が存在する関係」を指す。「通常の友情よりも、もっと深くてもっと情熱的な関係」。\n (credit:Jupiterimages via Getty Images)
ズッキーニ(Zucchini)(12 of12)
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クィアプラトニックな関係にいる相手のパートナーのこと。「彼が私のズッキーニです」などと使用する。\n (credit:diego cervo via Getty Images)