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Fangophiliaのファーストキャンペーンビジュアルより、モデルのHirari
(写真提供:Fangophilia)
デザイナー英 太郎が手がける人体拡張アクセサリー、Fangophilia。歯や指、目、そして膝に至るまで、身体のありとあらゆるパーツを型取り、シルバーのピースへと作り替える独特の手法は、英のユニークなバックグランドの影響が大きく関係している。東北大学を卒業した彼は、現役の歯科医として活動しており、1年半前にブランドを設立。原宿のカルトショップ、DOGにて取り扱われている彼のブランドは、現在国内外で大きな注目を集めている。
今回発表された、ブランド初となるキャンペーンビジュアルは、アート・ディレクター、そしてモデルとしても参加している岡部 駿佑のイメージのもとゴシックとハイファッションをクロスオーバーさせた作品となった。モデルは池田ヒラリ、Sioux、塚田ヒデミ、街子と皆ストリートを中心に人気を集めるパーソナリティ達。
BLOUIN ARTINFO Japanは、台湾のトップファッショニスタ、Judy Chouの招致により現在台湾のAMPstudioにてポップアップストアを行っているデザイナーの英 太郎に訪中直前にインタビューを行った。
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■アクセサリーを製作しはじめたのはいつのことでしょう?
ブランドとして製作を始めたのは去年の6月からなので、1年半程度です。それ以前に1年ほど趣味で製作をしていました。
■アクセサリーを作るというアイデアはどこからきたのでしょう?
私はもともと歯科医として東京で3年間働いたので、鋳造する技術などを用いてアクセサリーを作るというアイデアはここで培われたんだと思います。それ以外に、もともと人体改造が好きだったのも大きく関係しています。そこで自分の興味のある分野と本職がオーバーラップしたら面白いだろうなと思ったんです。
ちょうど、生涯歯科医という一つの職業に就くことに疑問を感じていて、何か新しいことに挑戦したかったので、それまで週5日歯科医の仕事をしていたのですが、週2日に減らしてアクセサリー製作をはじめました。
■歯科医の仕事は今もしていますか?
まだ仕事は続けています。週に1日か2日しか勤務してないのですが...笑
■歯科医として働かれているとき、患者の方たちは知っていると思いますか?
まず気づくことはないと思います!あえて言うことでもないので公表もしていません。私がアクセサリーを作っていることを知っている職場の人にも、特に言う必要も無いと言われているので特に問題も無いかと。ですが、いつか誰か気づくんじゃないかと思っています。
■デザインの過程についてお聞きしたいのですが、顧客はまず英さんのところに行ってオーダーして、その後ボディーパーツを象るんですか?
そうですね。まずオーダーがあったら型取りに来てもらって、ワックスと石膏を使ってキャスト(型)を作ります。その後その型を元にシルバーピースを製作します。
■製作にはどれほどの期間が必要なのでしょう?
オーダー内容にもよりますが、大体キャスト製作から2週間程度で完成します。これまでに最短で1日で製作したこともあります。
■ジュエリーデザインにはずっと興味があったんですか?
実はジュエリーそのものに興味があったわけでは無いんです。それよりも、タトゥーとかピアスみたいな人体改造に関心がありました。そのこともあって、私の作るアクセサリーには人体改造の要素が大きく関わっています。
■今回のイメージビジュアルにはどこかゴシック的な感覚が備わっているように感じますが、ファンゴフィリアのテーマはどのようなものなのでしょう?
コンセプトというと難しいのですが、最も近いのは「人体拡張アクセサリー」かと思います。人体のパーツをベースに、皮膚の表面から飛び出してきたというイメージです。
■今回、台湾で開催されるポップアップストアに参加されることが決定しています。どのように今回のプロジェクトは実現したのでしょう?
台湾のショップの方から要請があって、参加しないかという誘いがありました。10月3日から5日まで開催される予定です。
■海外での展示は初めてですか?
今回が初めての海外です。ブランドを初めてから1年と少ししか経っていない私にこのような話をもらえて興奮しています。今回呼んでもらったJudyさんには、6月に東京に来た時に会いました。その時に強く興味を示してもらえたことで今回の話は実現しました。
■今後海外での活動を積極的に行っていく予定はありますか?
もちろんです。実際、海外からの問い合わせも多くあるのですが、どうしても私が実際に会って製作する必要があるので、なかなか海外の販売が思うようにいかないのです。
しかし、今後は積極的に海外で展開をしていきたいと思っているので、例えば海外の歯科医と提携しキャストを作ってもらい、それを元に日本でシルバーピースとして製作し、輸送するのがいいかと思っています。もちろんそれにはまだ段階が必要なので、まずはヨーロッパなどでも作品を展示出来ればと思っています。今回の台湾のポップアップストアは、それに向けたファーストステップとして大切にしたいと思っています。
■その他の展開、例えば型取りの必要ないピースの製作などは視野に入れていますか?
型を取って製作するのは私のブランドにとって重要なパートなので妥協はしたくないのですが、そのことによって店舗販売が難しくなっているのも事実です。なので個別のラインとして例えばこれ(歯形を象ったバングル)などを考えています。指に関しては、5つのサイズ違いで製作すればどこかの指にはまるように展開することも出来ます。それでもやはり、型取りをして製作するアクセサリーは主軸として考えていくつもりです。
■顧客はどのような人がメインなのでしょう?
実を言うと、ブランドが多くの人に知られるようになったのは原宿のDOGで置いてもらえるになってからです。レディ・ガガなども来日した際によく訪れているということでも知られていますが、原宿の若い人たちにも元々人気のあった店なのでそういった人たちにはよく知ってもらっています。それに加えて、コアな人体改造ファンやフェティッシュファッションが好きな人にも好まれるようです。
■英さんにとって、ブランドのアクセサリー製作は専業のようになってきているように見えますが、今後歯科業との両立についてはどのように考えていますか?
実際、最近の私の生活はこのアクセサリー製作を中心に回っていると言っても過言ではありません。もちろん、収入面に加え患者の方達との信頼関係もあり歯科医の仕事はある程度までは継続していく予定です。今は友人の歯科医で働かせて頂いてるので、とても自由にやらせてもらっています。
■あなたの作品を着用して欲しい人はいますか?
もちろん、レディ・ガガに着けてもらうのは夢です。あと個人的にビョークの大ファンなので、彼女にも着用してもらえたらいいなと思っています。
Fangophiliaのキャンペーンビジュアル、そしてアクセサリーは、次のスライドショーをご覧いただきたい。
(※この記事は2013年10月6日のBLOUIN ARTINFO「Fangophiliaデザイナー、英 太郎インタビュー」から転載しました)