あるお宅の前を通りかかると、犬が急に立ち止まった。広々した庭の芝生の上に、赤い首輪をした小柄なキジトラが一匹、香箱座りでのんびりと朝日を浴びていた。
2016年05月14日 00時01分 JST
せっかく細かくルビを振ってもらったのを、赤でどんどん「トル」「トル」「トル」としていくのはなんとなく気が引けたが、書き手としては基本的にルビは極力少なくしたいのだ。
2015年11月12日 02時57分 JST
「落ち込んだらとりあえず、おいしいものを食べよう」という話をどこかで聞いた。
2015年01月27日 17時39分 JST
私も去年、大学の入試問題に自著が問題文として引用された。私のようなあまり名前の売れていない者の本を選んで下さったというだけで、有り難い。
2015年01月18日 23時59分 JST
ダサピンク現象とは、主に男性管理職が「女向けだからピンクでしょ」という考えで製品の色を決定した結果、女性消費者から「これじゃない」と思われがち、というケースを「象徴とした」現象。
2015年01月09日 16時56分 JST
「久しぶりにおばさんの顔見たいって言って、昨日Sちゃんが来たの」と、電話で母は言った。
2015年01月05日 18時28分 JST
一昨日の朝は愛知県の西部でも雪がちらつき、布団から出るのが辛い。元気なのは犬ばかり。‥‥‥と思っていたら、この寒いのにガッツのある蝶を、家の前に停めた愛車の脇で発見しました。
2014年12月10日 18時07分 JST
たしかに普通のクリニックでも、受付で「今日はどうされましたか?」と尋ねられて答えているのを、傍にいる他人に聞かれていることはある。それと同じと言えば同じだが、より詳しい質問だったせいかちょっと恥ずかしかったような‥‥‥‥自意識過剰でしょうか。
2014年11月25日 17時12分 JST
登山者が登って作った道を後から登ってくる人々(作品享受者)の中にも、「山脈」を知っている人はいる。こちらの山に生えている植物の"原種"があちらの山にあるとか、このルートを辿ると向こうの山の峰に行けるとか知悉していて、山脈全体の大雑把な地形図が頭に入っている。そういう人を教養人と呼ぶ。
2014年11月21日 01時26分 JST
数日の休みを取って単身赴任先から帰ってきていた夫を早朝、小牧空港まで送っていく途中。ちょっと早く出過ぎたので、どこか喫茶店に寄ってコーヒーでも飲もうということになった。
2014年11月04日 17時43分 JST
いろいろな物に手を伸ばし手に入れようとして、結局握った手に最後まで残っているのは、こういうチープな物だったりするのかもしれない。物としての価値はない、思い出だけの品。
2014年10月23日 14時54分 JST
発言内容こそが大切なのであって、内容と関係ない喋り方の癖などどうでもいい? 私はそうは思わない。むしろ本人も気付いていない、意識していないようなちょっとした発話の仕方が、発言の「位相」を決定しているのだ。
2014年10月09日 15時17分 JST
犬のつけた水辺の足跡は、しばらくしたら半分くらい消えていた。この世界に刻み付けられてはやがて消えていく無数の痕跡の一つ。犬の足跡も、犬も、私も。
2014年10月03日 01時00分 JST
6月末に他界した義母の大量の着物を、一ヶ月後に形見分けした話を以前書いた。最初、そんなに早く整理しなくても、少しずつゆっくりやっていけばいいのに‥‥とは思った。しかし義父はその時、一刻も早く義母の持ち物を片付けたがっており、私が衣類の整理を一任されてしまった。そして、親戚が集まれる日もそうないので、法要の日に皆で着物を分けたのだった。
2014年09月22日 15時14分 JST
15年くらい前に言われた「50過ぎたら楽になるわよ」の意味は、少しわかってきた気がする。わかってきたというか、時々「ああこれか」と体感できるようになった。
2014年09月03日 14時28分 JST
結局、介護に関しても「すべてを解決するのはお金」という、身もふたもない話になる。お金のある人は手厚い介護を受けられ家族も苦労せずに済み、お金のない家族は自宅介護で精神的にも肉体的にも限界に挑戦しなければならない‥‥と。
2014年08月19日 22時55分 JST
近所のレンタルショップに川島雄三作品を少し置くようになった(今までは『幕末太陽傳』のみ)ので、未見の『愛のお荷物』(1955)を借りる。川島監督が松竹から日活に行って初めて撮ったもの。配役がめちゃくちゃ豪華。「愛のお荷物」とは生まれてくる子供のことらしい。「愛の結晶」をもじったものと思われる。
2014年06月02日 01時19分 JST
テレビで顔を見ない日はないくらい大ブレイク中の俳優、西島秀俊の「熱愛報道」についてワイドショーでやっていたのをぼんやり見ていたら、西島氏が相手の女性に求める結婚の条件というのが出てきて、ちょっと笑ってしまった。
2014年04月26日 16時07分 JST
こう書くと陰気だと思われるかもしれないが、年老いた者同士、静かに寄りそって生きているという感じが、どの飼い主とペットの間にも漂っていて、見ていて不思議に心が和む。むしろ、犬や猫と一緒にいて一番似合うのが、老人ではないかと思えてくる。
2014年04月20日 19時06分 JST