竹村恵美さんは大学4年生。日本一サロンモデルが集まっている(※2015年2月4日現在)検索サービス『Coupe』を運営する代表兼プログラマだ。もともと超文系、アナウンサー志望だった彼女の人生を変えたWEB業界・プログラミングとの出会いとは?
【Profile】竹村恵美(Megumi Takemura)
1991 年生まれ。株式会社Coupe代表取締役社長。立教大学文学部フランス文学専修4年生。サイバーエージェント、ログバーなどでインターンを経験。Uber Japanアンバサダー。Startup Weekend Tokyo Woman優勝。2013年にサロンモデル検索『Coupe』を立ち上げ、2014年12月に会社化。現在、日本一サロンモデルが集まっている(※2015年2月4日現在)WEBサービスとして展開し、ユーザー数をのばしている。
PHPの勉強会が楽しすぎて、自分でもサービスをつくりたくなった
― 学生でありつつ、『Coupe』を開発した竹村さんですが、もともとWEBサービスには興味があったのでしょうか?
いえいえ! もともとアナウンサー志望で、そのための就活をずっとしていて。フジテレビのアナウンススクールやセミナーに通ったり、けっこう本気だったんです。
その頃、たまたま指輪型デバイス『Ring』を開発したログバーでインターンを始めたことがきっかけですね。ホントに失礼な話ですけど、それまでエンジニアの方ってちょっと暗い人が多いイメージが...(笑)
でも、そこで知り合った方は明るくて、楽しい方ばかりで。黒い画面にカラフルな文字をバーッと書くと、システムが動くようになって。身近でプログラミングを見てすごくかっこいいと思ったんです。「私も出来ますかね?これ」みたいなことを言ったら「全然できるよ、やってみなよ」と。
そこからジョブウェブで開催されているプログラミング講座に通ったら、アナウンサーよりもこっちが楽しくなっちゃって。就活もマスコミ系からIT系にシフトしていきました。10日間の講座だったんですけど、ホントにものすごい楽しかったですね。
ちょうどその頃、美容師をしている友だちが「サロンモデルを探すのが大変」と言っていたことがきっかけで『Coupe』をつくりました。最初はこれで生きていこうみたいな考えは全然なくて。自分のスキルを身につけたいとか、勉強したいとか。それこそ就活にとってプラスになればいいな、くらいの感じでした。
中途半端で終わりたくない
― 就活のプラスになれば、ということでしたが、卒業後はどうされるのでしょうか?
とても行きたかった第一志望の大手インターネット会社から内定を頂いていたのですが、お断りして、起業することにしました。その会社も大好きだし、そこで働く社員の方々もホントに大好きだったので、すごく悩んだのですが...自分で立ち上げた『Coupe』で、世界とまではいかなくても少しでも世の中を変えたい、そんな風に思うようになって。
― 新卒を逃すというのは、かなり勇気のいる決断ですよね。
もうホントに悩みに悩んで...という感じですね。すごく尊敬する経営者やエンジニアの方、身近な人たちにもたくさん相談して。で、すごく面白いんですけど、そこで頂けるアドバイスって結構共通していて。
「得るものが格段に違うよ。最悪失敗しても全部経験になるからチャンスだよ」と。本当、びっくりするぐらいみんな同じで。ちょっと打算的かもしれませんが、「確かにそうだな」と思ったんです。失敗したとしても、チャンスをつかむためのきっかけになる。だから新卒じゃなくてもいいやって。
あともう一つ、仲間の存在はすごく大きいですね。同じ立教大学の4年生で、一緒に法人登記をして起業した仲間がいて。彼女も最後まで就職と迷っていたのですが、「一緒に『Coupe』がやりたい」と言ってくれて、それも大きな後押しになりました。
「就職しない」というファーストキャリア
― 少し前だと「新卒は人生で1回だけだからとりあえず就職しとけ」みたいな風潮もありました。でも、それだけが選択肢ではなくて。
そうですね。すごく大きな失敗をして、その先の道が無くなって...となった時、「その失敗で何を得たか」のほうが大事だと思うんです。
もし、いつかどこかに就職することになったとしても、新卒でどこに入社したかよりも、私がこれまでに得てきたことや経験してきたことを見てほしい。そこを「いい」といってくれる会社とめぐり会えたらいいと思っています。そのためにも、今は全力で自分たちのサービスを成長させることに専念していきたいです。
― いよいよ本格的に起業されて、その一歩目を踏み出したわけですが、現在の心境を教えてください。
普通の大学4年生だったら、絶対に会えないような経営者や投資家など素晴らしい方々に会えていて...そんな毎日を過ごすことができ、成長できている実感があります。もちろん楽しいことばかりじゃないです。でも、大変なこと、不安も含めて、いろいろな経験をしていきたい。そういう意味でも、刺激的な毎日を最高に楽しんでいますし、これからも楽しんでいきたいですね。
― 新卒がメインとなる就活ですが、新しい"ファーストキャリア"の可能性も感じることができました。今後のご活躍、楽しみにしています!本日はありがとうございました。
[取材・文]白石勝也
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