「つらい」という人が多い内視鏡検査。中には前日から緊張して寝られないという方もいます。内視鏡検査をラクに受けるコツとは?
先生:緊張しているでしょう? 眉間に皺が寄っていますよ。
患者:えっ!?
先生:今、笑ったでしょう? カメラの前に笑えると、緊張が解けて上手にカメラが飲めますよ。検査を受けるときは、慣れていても緊張するものです。内視鏡って、結構メンタルな検査なんですよね。
先生:(「カメラが嫌だ」という雰囲気が出ているな......。)以前受けた検査はつらかったですか?
患者:はぁ? 胃カメラがつらくないわけないじゃないですか! 本当はこんな検査受けたくないんですよ。
先生:では、今回はできるだけつらくない検査にしましょうね。つらくなくなるコツをお伝えしますよ。
一.姿勢はうつぶせ気味です。よだれはゴクンせずに出して下さい。
二.目は開いていてくださいね。視線はやや下方を、ぼんやりと眺めていてください。
三.内視鏡が喉にあるので、飲み込むとつばが胸(気管)に入ってむせてしまいます。
四.ゴクンそのものも喉を痛くするので、なるべくゴクンを控えてください。
五.一番大事なのは息遣いです。腹式呼吸でゆっくり長いため息をします。できれば5秒くらいかけて、ふ~~~。ゆっくり腹式呼吸をしてください。
それでは検査を始めましょう。力を抜いてリラックスしてください。
先生:検査はこれでおしまいです。異常はありませんでしたから、安心して下さいね。上手にできましたよ。つらくなかったでしょう?
患者:はい、全然つらくなかったです。ありがとうございました。
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西野 徳之
一般財団法人脳神経疾患研究所附属総合南東北病院
1987年自治医科大学卒業後、旭川医科大学第三内科を経て、利尻島国保中央病院などで地域医療に従事。2000年10月より一般財団法人脳神経疾患研究所附属総合南東北病院(福島県郡山市)勤務。2007年より消化器センター長。医師不足の地で診療に邁進しながら、研修医指導にも情熱を傾けている。苦痛のない内視鏡をyoutubeで紹介している。https://www.youtube.com/watch?v=eYg8qkB-H2I『Oriented Endoscopy--』 著書に「良医となるための100の道標 ―研修医諸君! 本音で「医道」を語ろうー」日経BP社、「ココまで読める! 実践腹部単純X線診断」中外医学社などがある。