「肩こりがひどくなると頭痛がする」と悩んでいる方は少なくないようです。緊張型頭痛や片頭痛と肩こりとの関係とは。
肩こりがひどくなると頭痛がすると訴える患者様がいます。肩がこると頚部から肩甲部、背部の筋肉が硬く緊張してきます。この筋肉は後頭部に付着していますから、肩のこりが悪化すると後頭部の痛みがでてくることがあります。それよりも前頸部の筋肉の緊張が頭痛の原因になるケースのほうが多い印象です。
頭痛の分類の中で緊張型の頭痛と分類される頭痛の一部がこれに当たります。頭痛の中では緊張型頭痛はかなり多く存在します。この型の頭痛はいつもだらだらと頭痛が存在します。ただしすべての緊張型頭痛が肩こりが原因で起きるわけではありません。患者様の中には肩こりに頭痛が併発するとその頭痛は緊張型頭痛だと思っている人もいますが必ずしもそうとは限りません。
片頭痛も肩こりを伴うことがあります。片頭痛の患者さんは普段は何も痛くないのですが、何かをきっかけに頭痛発作が始まります。
片頭痛の患者様のなかには頭痛がきそうな時に何となく発作がきそうなことをわかっている方がいます。突然目の前にきらきらと光が見える現象です。これが起こると暫くして頭痛が始まります。典型的な片頭痛の患者様に認められるものです。閃輝暗点といいます。
芥川竜之介の小説の中にこの閃輝暗点の記載があります。遺稿となった『歯車』という小説です。このなかに詳細な閃輝暗点の記述があります。芥川自身はこの現象が発狂する前触れではないかと悩んでいたようです。
私が中学生の時、国語の授業でこの短編を読まされた記憶があります。当時は私に片頭痛の知識も無く、国語の先生も閃輝暗点について医学的な解釈をするわけでもなく、ましてや片頭痛についてまでは解説はしていただけなかったと思います。
この前兆を持つ片頭痛は片頭痛患者さんの20%前後と考えられています。あとの片頭痛患者さんには前兆がないといっても、片頭痛の患者様では何となく頭痛がくることを予測できること(予兆)があります。そのなかには肩こりがすると頭痛がするという場合もあります。肩こりが片頭痛を起こす前触れになっていることもあるのです。
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