「AI」をタダで学べるオンライン講座、フィンランドの大学が一般公開

すでに2万人超が登録しています。
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フィンランドのヘルシンキ大学は、オンラインで人工知能(AI)の無料学習コースを一般公開しました。

本コースは、完全に英語で提供。コースの修了には約30時間かかり、フィンランドの学生であればOpen Universityを通じてECTS(ヨーロッパ共通の単位制度)が取れ、国外の人でもコース修了によりLinkedIn(ビジネス特化型SNS)で使える証明書が取得できます。

すでに本コースは、24000人が登録済み。同大学は今年中に、フィンランド人口の1%に当たる約54000人の受講を希望していると述べています。

同大学は過去数年間にわたり、国内にてAI学習コースを提供してきたとのこと。受講者の関心が高まってきたため、ソフトウェア開発会社(フィンランド発のスタートアップ)Reaktorと提携し、増加するニーズに対応するためのオンラインコースを開設したとされています。

Googleも機械学習やAIに関心ある人々を対象とした「Learn with Google AI」サイトを開設していますが、あちらは元々Google社員に機械学習を教える教材を元にした、専門性の高いもの。こちらはAIに関心がある人々が、基本を学ぶことに重点が置かれています。

Reaktor所属のJanina Fagerlund氏は、「ほとんどの人は自動運転車がAI技術を使っていることを知ってはいるものの、FacebookやGoogleなどのIT企業が顔や物体認識にAIを用いていることに気づいてない人もいます」とコメント。AIは19世紀に電気が世界にもたらしたような、革命的な影響を与えると述べています。

そうした認識の上で、同コースはAIの定義(第一章)やAIによる問題解決(第二章)といった初歩の初歩から解説。それぞれの過程の末尾には簡単な演習問題があり、後半では機械学習やニューラルネットワークなど高度な概念も学べます。

講師と面と向かった講座というよりは、教科書の章ごとに進捗を確認するテストがあるドリル形式といったところ。

すでに登録している24000人の内訳は、20歳から75歳まであらゆる年齢層で、失業者やデイケア労働者、歯科医など様々な分野の人々が参加しているとのこと。

解説テキストはかなり平易な英語で書かれており、Google翻訳などを併用すればハードルは高くないはず。ますます社会に欠かせない要素となりつつあり、一部研究者が「殺人ロボット」も危惧するほどに進化しているAIにつき、これを機会に学んでみてはいかがでしょう。

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