米アップルが、タイム・ワーナーを買収するかもしれないと米ニューヨーク・ポストが伝えています。Apple TV の「貧相なコンテンツラインナップ」を充実させるためで、現在 Apple TV にはタイム・ワーナー傘下の CNN および HBO がコンテンツを供給しています。 ニューヨーク・ポストによると、タイム・ワーナーは最近、投資家からグループ全体を身売りするか、資産のスピンオフの検討を勧められたとしています。そして、その買い手候補として名前が上がったのがアップルだとしています。
アップルは、昨年発売した第4世代 Apple TV 向けに新たな動画ストリーミングサービスの開始を検討しており、そのためにタイム・ワーナーの巨大なコンテンツライブラリーを求めているとされます。タイム・ワーナーからはニュース専門チャンネルの CNN、人気ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』を抱えるケーブル局 HBO がApple TV向けにコンテンツを供給しています。
しかし Apple TV で視聴できる動画コンテンツは依然として充実しているとはいえない状況です。もし、アップルがタイム・ワーナーを買収すれば、巨大かつ強力なコンテンツ資産が手に入ることになります。
2014年には、同業の21世紀フォックスがタイム・ワーナーの買収に名乗りを上げていました。この時はフォックス側の株価低迷などが原因でタイム・ワーナー側の株主をはじめ経営陣が興味を失い、最終的に不調に終わっています。
9to5Mac は、アップルのエンターテインメント部門を取り仕切るエディ・キューが当時フォックスとタイム・ワーナーのやりとりを注視していたとしています。またニューヨーク・ポストは先日、タイム・ワーナー HBO を売却するか、分社化する意向だと報じていたものの、最新の報道では巨大な企業構造を切り売りするには内部の調整に手間がかかるため、アップルが全体を買収してしまうほうがスムーズに事が進むと伝えています。
アップルおよびタイム・ワーナーは、今回の買収の噂についてコメントを拒否しており、真偽の程は定かではありません。しかしユーザーの立場からしてみれば「細かいことはいいから動画コンテンツ充実はよ」というのが本音かもしれません。
ちなみに Apple TV では、別途契約が必要なものの Hulu や Netflix といった動画サービスは視聴可能。一方、噂されていた アップル独自の映像コンテンツ提供や2015年内にも第4世代 Apple TV で視聴可能になると噂されていた「アマゾン プライム・ビデオ」は、今のところ発表に至っていません。
また、自宅 LAN 内にすでに動画ライブラリを抱えるユーザーには12日、多くのファイル形式に対応するプレーヤーアプリ「VLC for Apple TV」が公開されています。VLC for Apple TV は将来、クラウドストレージからの再生にも対応の予定です。
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(2016年1月14日 Engadget日本版「アップル、総合メディア企業 タイム・ワーナー を買収のうわさ。Apple TVコンテンツ拡充のため」より転載)