SpaceXが、初の大型ロケットとなるFalcon Heavyの打ち上げが(成功した場合)どのようになるかを表す予想動画を公開しました。Falcon Heavyは日本時間2月7日午前3時30分、ケネディ宇宙センターから打ち上げられます。
SpaceXが公開した最新の動画では、Falcon Heavyがリフトオフし、大気圏を脱したところでまずはロケット両脇にあるサイドブースター2基が分離、方向展開してケープカナベラルのSpaceX専用着陸パッドへと帰還します。
そして軌道上をさらに加速して突き進んでいた残り1本のセンターコアと呼ばれるブースターも分離され、こちらは大西洋上に待ち受ける無人船"Of Course I still Love You"へと舞い戻ります。
...と、ここまでは以前Falcon Heavyのコンセプトとして公開された動画とほぼ同じ。しかし、ここからが違いました。場面は地球軌道を離れ宇宙を進むロケット上段部分へと戻り、先端のフェアリングが開くと、イーロン・マスクの赤いテスラRoadsterが。そしてSpaceXの宇宙服を来たマスクCEOいわく"スターマン"が片手ハンドルで余裕の宇宙ドライブと洒落込みます。その速度は動画の説明文によると秒速11km/s。まだ"銀河ハイウェイ"は建設されていないため、速度違反を気にする必要はありません。
そしてスターマンの最終的な目的地は、やっぱりあの赤い惑星でした。
この動画は、Falcon Heavyの打ち上げがすべてうまく行った場合を想像して描かれています。したがって、実際にロケットから赤いオープンカーが放たれて火星にたどり着くかどうかはわかりません。というか、ダミーペイロードたるRoadsterに通信機器などは搭載されないはずなので、ロケットから分離した時点で追跡はできなくなると思われます。
イーロン・マスクCEOはこれまでFakcon Heavyに関して「軌道に到達できないかもしれない」、「離陸時に爆発して吹き飛んでしまうかも」と弱気な発言を繰り返していました。Falcon Heavyの3つのブースターには合計27基の"マーリン 1D"ロケットエンジンが搭載されており、それらをすべて完璧に制御するというのは、これまで何度もFalcon 9の打ち上げを成功させてきたSpaceXにとってもかなり難易度の高いチャレンジに違いありません。
ところで、イーロン・マスクはペイロードとして搭載するテスラRoadsterを搭載すると発表した際、打ち上げではそのカーオーディオでデビッド・ボウイの"Space Odity"を流すと発言していました。しかし今回の動画でBGMに使われているのは同じボウイの曲でも"Life on Mars ?"になっています。心変わりの理由はともかく、火星への思いを込めるのならこちらのほうがしっくりきて良い感じです。
なお、今回もSpaceXは打ち上げの模様をライブ中継します。
(2018年2月6日Engadget日本版「大型ロケットFalcon Heavy打上げのイメージ動画公開。"スターマン"が赤いスポーツカーで赤い惑星へ」より転載)
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