アップルの新製品発表イベントで、おなじみの「One More Thing......」フレーズの後、ついにウワサの5.8インチ画面スマートフォン『iPhone X』が発表されました。新しくiPhoneの最上位となるモデルです。気になる読み方は、結局「アイフォーン テン」でした。
10月27日から予約受付、発売は11月3日。米国での価格は999ドルから。ストレージ容量は64GBと256GBの2種類、本体カラーはスペースグレイとシルバーの2色です。日本でも11月3日発売、10月27日より予約開始。価格は11万2800円(税別)からで、ドル円レートは約113円となります。
iPhone10周年モデルでもある本機は、ウワサ通りに本体デザインを一新。iOSや自社設計の高速SoCといったiPhoneのメリットを継承しつつも、昨今のスマートフォントレンドに追いつき、その次のトレンドセッターとなる気概を感じさせる新機軸モデルです。
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特徴は非常に多岐に渡りますが、やはり特筆すべきはデザインでしょう。ウワサ通りではありますが、正面から見たときほぼすべてが画面となるベゼルレス設計、そして長辺側を本体サイズギリギリまで確保し、さらにコーナーを丸めたスタイルはインパクト抜群(ディスプレイパネルのレベルから角を落としています)。
そして画面は、有機ELの採用によるものか『Super Retina Display』と称します。有機ELならではのコントラスト比の高さに加え、HDR映像への対応や色精度の高さをアピールします。もちろん3D Touchにも対応。
ベゼルの狭さは、Androidのライバル機以上とも思えるほど。さらにフロントカメラやセンサーなどは天面側に張り出した配置となっている、かなり「攻めた」デザインです。
いろいろな意味でiPhoneのアイデンティティである「ホームボタンと上下方向に広いベゼル」も捨てているため、ぱっと見だけでも次世代感はかなり高め。実際に手に取った時にはアップル製品らしく「実際に触ってみると確かに凄い」と感じさせるものとなりそうです。
またベゼルの縮小により、本体サイズがiPhone 8 Plus(そして大きさがほぼ同等の歴代Plus系)よりもかなり小さくなっているのもポイント。昨今のスマートフォントレンドである「アスペクト比率を調整し、大画面ながら縦向き時の幅を縮小する」というトレンドもカバーしています。
iPhone Xは70.9×143.6×7.7mm(縦長状態の幅×高さ×厚さ)で重量174g。同時に発表されたiPhone 8 Plusは78.1×158.4×7.5mmで202g(同)です。
もちろん外観のみならず、内部も大きく刷新。上述したように、ディスプレイパネルはiPhoneとしては初となる有機ELを採用し、iPhoneとしては最高解像度に。
ディスプレイ解像度は縦長状態で2436×1125。画素数から計算したアスペクト比は約19.5対9。短編側でもiPhone SE(1136×640)の長辺側に匹敵する画素数です。また、従来のiPhoneではPlus系列でもフルHD(1920×1080)だったことから、大幅増となっています。
SoCはiPhone 8と同様の『A11 Bionic』を採用。CPU部も合計6コア(高電力効率コア×4基+高性能コア×2基)へと、コア増量などにより、iPhone 7世代のA10 Fusionと比べても大幅に高速化。公称ではCPU性能は最高70%アップ、GPU性能は最大30%アップと謳います。
またCPUのみならず、GPUとISP(カメラ撮影用などで使われる画像処理エンジン)部もアップルの独自設計となった点は、隠れたポイントと呼べそうです。
気になるバッテリー駆動時間に関しては「最低でもiPhone 7より2時間以上長い」とアピール。iPhone 7 Plusではなく無印7らしい点には注意が必要ですが、全般としてはそれなりの水準と見て良さそうなところ。
使い勝手の面でも、3D顔認証機能『Face ID』によるロック解除や、ホームボタンに変わるスワイプ操作など、多数の新機能を備えます。
Face IDは様々な角度から顔の映像を登録することで、いわば「顔のパーツ」の関係を認識し、認証をします(立体的な情報をベースにしているため「3D」と呼ばれます)。
素早くロック解除が可能で、かつセキュリティ面にも配慮された認証機能として、普段使いのパターンが大きく変わる機能です。
もちろん、モバイル決済であるApple Payも、Face IDによる認証に対応します。
デザイン上の新たなアイデンティティとなりそうな、天面側の「くびれ」にはスピーカーとマイク、フロントカメラをはじめ、各種のセンサーを集積。公式で発表されているだけでも8つの機能部品が集められています。
初期搭載OSは同時発表されたiOS 11。本機ならではの機能として、フロントカメラ経由の3D顔認識により表情をトラッキングし、「メッセージ」で絵文字をベースにしたアニメーションキャラクターの表情を自分の顔で表現できる「Animoji」(アニ文字)もウワサ通り搭載されています。
さらにカメラ機能としては、iPhone 7 Plusより引き継ぐ背面デュアルカメラを搭載。手ぶれ補正はiPhone 8 Plusよりも強化され、望遠側にも光学式が搭載された『デュアル光学手ぶれ補正』となりました。本来は望遠側でこそ欲しかった光学手ブレ補正(OIS)が動作するため、ズーム撮影時の手ぶれが減少します。
画素数自体は7シリーズと同じ1200万ですが、動画撮影の解像度と、スローモーション撮影時のフレームレートは大幅に増加。iPhone 8シリーズと同じく、4K撮影時では60fps(コマ/秒)に、スローモーション撮影時はフルHD解像度で240fpsでの撮影を可能とします。
このようにiPhone Xは、様々な点で従来のiPhoneのイメージを破る気概の高級モデル。機能的な特徴まとめに関しても、上記のようにこれまでのiPhoneと比べても多くが挙げられています。
ウワサ通りの「iPhoneの主力機種では量産などの面から導入できない新技術を導入した超高級機」として、しっかりとした存在感を発揮する製品とも呼べそうです。
アップルの新製品イベントでは、他にもiPhone 8シリーズやApple Watch Series 3など、その他のモデルも多数発表されました。これらの情報に関しては、リアルタイム速報ページを参照ください。
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(2017年9月13日Engadget日本版「速報:iPhone X正式発表。次世代感満載の超狭額縁デザインに5.8型有機EL画面と最新技術を結集」より転載)