ソニー・グローバルエデュケーションが、プログラミング学習キット「KOOV」(クーブ)を発表しました。KOOV は、LEGO Mindstorms のようにモーターや電子基板を組み込んだブロックで組み上げた玩具に、タブレットなどで作ったプログラムを流し込み、ロボット化して遊びながら学べる学習教材です。
今回は主にコンセプトレベルでの発表ですが、商品化時期は早くも2016年夏頃の予定としています。
ソニー・グローバルエデュケーションは、2015年に思考力(Think)、創造力(Make)、探求力(Feel)の3つを柱とした教育カリキュラム「STEM101」を策定しており、そのうちの Make にあたる部分を具現化したのがKOOVとのこと。
LEGO や ダイヤブロック のようにプラスチックのブロックでものづくりを楽しめるだけでなく、その昔学研が発売していた「電子ブロック」のようにモーターや電子回路、センサーなどを含むブロックを組み合わせることで、電子機器としての機能を付け加えられる点が特徴です。
この「機能」部分の制御は、タブレットなどから転送するプログラムで行ないます。紹介動画(下記)を見ると、プログラミング言語は記号化された命令をドラッグ&ドロップで並べていくだけでほぼ完成する「Scratch」によく似たものになるようです。
また製品化には、すでに電子回路やセンサーを組み合わせたブロック教材を販売しているアーテックが協力している点がポイント。KOOVはアーテックのノウハウにソニーのソフトウェア関連技術を組み合わせることとなるため、 LEGO Mindstorms の強力なライバルとなる可能性を秘めていると言えそうです。
ちなみに、LEGO Mindstorms といえば、たとえばルービック・キューブを超高速で解いてしまう高度なロボットも作れてしまう一方、親の立場としてはなかなか手を出しにくい価格帯の商品です。2014年時点で日本のGDP世界ランキングは、経済協力開発機構(OECD)に加盟する34カ国中20位にまで低下しており、各家庭の消費支出も減少しています。KOOV にはぜひとも「プログラミングロボット教材界のダイヤブロック」として確固たる地位を築いて欲しいと願うばかりです。
(2016年3月9日 Engadget日本版「Mindstormsのライバルとなるか? ソニーがプログラミング可能なロボットブロック『KOOV』を発表」より転載)
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