ポルシェの社長オリバー・ブルーメ氏が、自動運転車を「魅力的ではない」として現在のところそれを開発する計画がないことを明らかにしました。ブルーメ氏は「ポルシェのオーナーは、iPhone をポケットにしまって自分で車を運転したいと思うだろう」と語っています。
ポルシェといえば言わずと知れたドイツの高級スポーツカーメーカー。特に自動車レースの世界では、ポルシェが走っていないカテゴリーを探すほうが大変です。とはいえ、現在のポルシェはスポーツカー専業というわけでもなく、SUV/クロスオーバー や(スタイルこそスポーツカーっぽいものの)セダン車もラインナップに存在します。
現在ポルシェが注力している技術といえば、そのカタログのハイブリッド化。ポルシェは "E-Performance" と銘打ち、持ち前のスポーツ性能に環境性能を融合させるコンセプトを打ち出しています。現在はSUVのカイエン、さらにセダンのパナメーラそれぞれにプラグインハイブリッドモデルを投入、オープンスポーツカー 918スパイダーも、コンセプト段階では PHEV でした。
さらに2015年のフランクフルトモーターショーではコンセプトカーながらポルシェ初の EV となる4ドア車「Mission E」を発表、後に市販化を宣言しています。
一方、これまでポルシェが自動運転技術を開発しているという話題はありませんでした。昨年末にはランボルギーニが自動運転に否定的な意見を表明しており、今回のポルシェ社長の発言も、同じ高級スポーツカーの分野で売るメーカーの言葉としては驚くほどのことではないのかもしれません。
運転する楽しさ、喜びを提供するスポーツカーにとって、自動運転はその対極にある存在かもしれません。とはいえ テスラ・モーターズ CEO のイーロン・マスクが、2018年までに完全に自動運転が可能になると発言し、フォードは自動運転技術のために Google と提携すると言われます。
そうなれば、もしかすると "完全自動運転のスポーツカー" という斬新なジャンルが生まれないとも限りません。それが本質的にスポーツカーなのかという疑問はさておき、SUV、セダンと守備範囲を拡げてきたポルシェがそのとき、どんな手を打つのかが気になります。
ちなみに、ポルシェもランボルギーニも現在は独フォルクス・ワーゲンの大きな傘の下。同じグループ内には自動運転でサーキットを爆走する技術を持つアウディもいます。その気になれば、いつでも自動運転技術を手にすることはできそうです。
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(2016年2月4日Engadget日本版「ポルシェ社長、自動運転に否定的『ポルシェオーナーなら自分で運転したいだろう。iPhoneはポケットの中でいい』」より転載)
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