米21歳大学生、母親を守ろうとして義理の父から100回以上刺され亡くなる

殴られていた母親を守ろうとした21歳の学生が、義父から刺されて亡くなりました。家族やパートナーなど身近な人からの暴力は、深刻な問題になっています
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Catherine McQueen via Getty Images

※この記事は家庭内暴力に関する記述が含まれています。

アメリカ・ワシントン州のワシントン大学に通っていた学生が、義父に殴られていた母親を守ろうとして死亡した。学生は義父から100回以上刺されて亡くなったという。

警察によると、シアトルに住む21歳のアンジェリーナ・トランさんは8月7日夜、自宅キッチンで義父のニエップ・ケイン・チョウ容疑者(54歳)が母親を殴っているのに気付き、止めようとした。

訴訟資料には「アンジェリーナ・トランが止めようとしたため、母親は逃げて近くの寝室に隠れることができたが、被告は暴力を振い続けた」と書かれている。

ワシントン大学に通っていたアンジェリーナ・トランさん
ワシントン大学に通っていたアンジェリーナ・トランさん
GOFUNDME

警察によると、防犯カメラの映像には、チョウ容疑者がトランさんの母親の顔を少なくとも15回殴る様子が映っていた。

トランさんは、チョウ容疑者と母親の間に入って止めようとしたものの、チョウ容疑者は母親に暴力を振い続けただけでなく、トランさんの顔も殴ったという。

訴訟資料によると、その後トランさんの母親は逃げ出すことに成功し、その間トランさんはチョウ容疑者を押さえていたが、ふたりは部屋の中央にあった折りたたみ式犬用ケージの近くで転倒した。

チョウ容疑者はトランさんを乗せたケージを引きずり、キッチン棚の引き出しからナイフを取り出すと、抵抗するトランさんを刺し続けた、と訴訟資料に記載されている。

チョウ容疑者はトランさんが動かなくなった後も差し続けたが、一度刺すのを止めたという。その理由について「血にまみれて寒くなったために途中で服を着替えた」と後に警察に語ったとされる。

訴訟資料によると、チョウ容疑者はトランさんを殺害した後に母親を探し出して殺すつもりだったが、近くに隠れていたトランさんの母親は警察に通報。

警察が到着した時、チョウ容疑者は、怪我をして血まみれの状態で血のついたナイフを持っており、トランさんはキッチンで死亡しているのが確認された。その後、チョウ容疑者は殺人と殺人未遂の罪で起訴された。

チョウ容疑者とトランさんの母親は、19年間付き合った後、2022年に結婚。チョウ容疑者は警察に対し「トランさんの母親とお金を巡る問題で口論になり、エスカレートして殴った」と説明しているという。

事件の後、トランさんのためのクラウドファンディングが立ち上がった。高齢者支援に情熱を注いでいたトランさんを追悼し、集まったお金は全米アジア系高齢者センターに寄付されるという。

クラウドファンディングのページには「彼女の輝く笑顔は、人々に喜びを与えてくれました。私たちはアンジェリーナを失い悲しみに打ちひしがれていますが、それでも彼女は私たちに、強く立ち、明るく笑っていてほしいと望んでいると思います」とつづられている。

ワシントン大学広報のヴィクター・バルタ氏も「ショックと悲しみに打ちひしがれています」「私たちの思いはアンジェリーナの家族と愛する人々とともにあります」とハフポストUS版の取材で語った。

家族やパートナーなど身近な人からの暴力は、深刻な問題だ。 アメリカ疾病管理予防センター(CDC)によると、アメリカでは4人に1人の女性がパートナーから身体的暴力を受けている。

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

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