PRESENTED BY Accenture

LGBTQへの理解と支援を、「声」でカタチに。“特別扱い”のない、北欧の本屋の“普通”を目指して

社会のポジティブな変化を牽引する、アクセンチュア。社会の“まだら”な理解を深めていくために、当事者とAlly、社内外が手を取り合い、さまざまなアクションをおこなっています。
Yuji Nomura

世界各地で「Pride Month(プライド月間)」と位置付けられる6月。近年では日本各地でも、LGBTQコミュニティを祝福し、啓発を呼びかける取り組みが企業や自治体によっておこなわれています。

LGBTQ当事者だけでなく、支援者・理解者であるAlly(アライ)が「連帯」し、その動きは徐々に“社会ごと”になってきました。

広がった認知と、“まだら”な理解

インクルーシブな職場環境づくりに取り組むアクセンチュアには、世界中に約12万人のAllyがおり、I&D(インクルージョン&ダイバーシティ)活動が活発におこなわれています。そうした企業カルチャーの中で、LGBTQ当事者のメンバーが、多様な自分らしさを発揮しています。

国内外、社内外のつながりを通して、平等でイノベーティブな社会づくりに貢献してきた同社の取り組みは、今や多くのステークホルダーを巻き込みながら大きなうねりを生み出しています。

その動きを生み出す、チカラの根源とは? LGBTQ当事者としてI&Dに取り組む新島恵理子さん、Allyの三原普さんに聞きました。

新島恵理子さん:Accenture Song所属、顧客体験向上・マーケティング領域のコンサルタント。2015年、アクセンチュアに転職し、以来レズビアンであることをオープンにしている。現在は、LGBTQ+に関するセクターを超えた協働プロジェクト「プライドハウス東京」のアクセンチュアチームリードを務める。 / 三原普さん:テクノロジー コンサルティング本部所属。2012年アクセンチュアに転職。16年頃からLGBTQ Ally Committeeに参画し、現在は同Committeeの外部イベント参加、企業・団体連携のリードを務める。
新島恵理子さん:Accenture Song所属、顧客体験向上・マーケティング領域のコンサルタント。2015年、アクセンチュアに転職し、以来レズビアンであることをオープンにしている。現在は、LGBTQ+に関するセクターを超えた協働プロジェクト「プライドハウス東京」のアクセンチュアチームリードを務める。 / 三原普さん:テクノロジー コンサルティング本部所属。2012年アクセンチュアに転職。16年頃からLGBTQ Ally Committeeに参画し、現在は同Committeeの外部イベント参加、企業・団体連携のリードを務める。
Yuji Nomura

── LGBTQを取り巻く環境は、どのように変化していると感じますか?

新島さん(以下、新島):ありがたいことに、日本でもLGBTQという言葉の認知はかなり広がったと感じています。自分がレズビアンかも...と思い始めた中学生の頃は言葉すら浸透していなかったし、大学進学で上京した10年程前も、オープンにしている当事者は周りにほとんどいませんでした。

その頃と比べて現在は、ニュースで取り上げられることも、感度が高い人も増えましたよね。

三原さん(以下、三原):そのきっかけの一つは2015年11月、全国に先駆けてスタートした、渋谷区パートナーシップ制度だと思います。

10年前くらいは、LGBTQについて友人と会話していても「?」という感じでした。でも、ここ数年は企業も個人も「自分たちもやらなきゃ」という雰囲気に変わってきたなと実感します。

新島:こうしたポジティブな変化は素直にうれしいです。ただ社会全体を見ると、まだまだLGBTQに対する理解は“まだら”だと感じます。

私は同性パートナーと「パートナーシップ宣誓書」を取得していますが、同居する部屋探しの際、20件近く問い合わせた中で6割以上の大家さんに断られてしまいました。「結婚に近い関係です」と説明しても理解されず、「うちはルームシェアNGで...」と。

パートナーシップを結んだ時、友人たちに“結婚祝い”をしてもらいましたが、実は、法的効力はほとんどないんです。私たち当事者が直面している課題への理解を広げ、深めていくためにまだまだ声を上げ続ける必要があると思います。

新島恵理子さん
新島恵理子さん
Yuji Nomura

三原:ある企業の方から「まずは男女格差の是正から。LGBTQは数年先...」という話があることを伺いました。これを聞いた時は感覚の違いが大きいことに驚きました。なぜI&Dを推進する必要があるのか、ということを含めて、理解が“まだら”というのは大きな課題だと感じています。

どのように、声はカタチになるのか?

── アクセンチュアは、そうした社会の変化を牽引する存在ですが、そのチカラの根源は何でしょうか?

新島:私は、アクセンチュアに転職するまでは自分がレズビアンあることを公表しない“クローゼット”でした。かつて同僚との雑談で、彼女とのデートを「彼」に置き換えて話していて、その嘘を取り繕うためにまた嘘を重ねて...。気づけば、業務の中でも「自分」を出せなくなっていました。

セクシャリティを含めた「自分らしさ」をオープンにできる環境、ということでアクセンチュアを選び、面接の時にレズビアンであることも伝えました。人事、上司、同僚からも「それは、あなたの性質の一つだよね」と受け入れられてすごく安心したし、業務上でも自分の意見を躊躇せず発言できています。そうした「自分らしさ」を自然に出せること、それが大きなチカラになっていますね。

三原:昨今、パフォーマンス高く働くためには、それぞれの心理的安全性が大切だとも言われていますよね。

私は、学生時代に新宿二丁目界隈のカフェでアルバイトをしていたんです。世界的な“LGBTQタウン”ということで、バイト仲間には当事者の方もおり、そこでは何も隠すことなくのびのびと働いていました。そうした環境で私自身、当事者のいろいろなストーリーを知ることができました。

一方で、新宿二丁目の外に一歩出ると、周りの目を気にして声色や服装を変える仲間もいました。その様子がすごくショックで...。自分らしさをオープンにすることにリスクを感じず、誰もが何かを隠したり、偽ったりすることなくのびのびできたらと感じ、それがAllyとして活動するきっかけになりました。

アクセンチュアに入社してからは、各地のプライドパレードやセミナーに参加して知識を深めながら、2016年頃から社内LGBTQ Allyコミッティに参加しています。コミッティは各ダイバーシティの領域に関心を持っている社員で構成され、組織横断で集まった若手からシニアクラスのメンバーが啓蒙活動、課題解決に向けた活動をしています。ここ数年でメンバーも大きく増え、当事者のメンバーが声を上げてくれたり、たくさんのAllyからさまざまなアイデアが集まったり。そういった一つひとつのことが、活動のチカラになっていると思います。

三原普さん
三原普さん
Yuji Nomura

アクセンチュアは会社全体でそうした機運がありますし、社内コミッティの活動や、社員向けのイベント、情報提供など、勉強になる機会がとても多いんです。

── 具体的には、どのような動きや制度につながっているのでしょうか?

新島:いろいろありますが、LGBTQに関連するもので言えば、社内の「ライフパートナー制度」。一部の福利厚生制度が同性パートナーにも適用され、結婚休暇、結婚祝い金が受けられます。また、扶養に近い関係であれば、パートナー分の健康診断費用を会社が負担したり、生命保険の受取人に指定できたり。

自分のセクシャリティをオープンにしていない社員でも、人事や上司に直接相談せずにこうした制度を受けられるよう、システム上で問い合わせが完結するAIチャットボットも用意されています。

この他にも、LGBTQの権利や平等を守る制度やガイドラインが日々アップデートされており、これらはまさに「声」がカタチになった結果。会社にできることは、全てやろうとしてくれている姿勢が感じられてとてもうれしいです。

Yuji Nomura

三原:私たちAllyによるLGBTQコミッティでは、「内向き」と「外向き」両方の活動をおこなっています。

「内向き」には、社員向けのニュースレター発信やイベントをおこない、今まで学びの機会がなかった社員の“まだら”な理解を埋め、次のアクションにつなげる活動をおこなっています。

「外向き」では、2019年に開設された常設のLGBTQに関する総合施設「プライドハウス東京レガシー」の運営を担うプロジェクトや、NPOやNGOの活動も支援しています。アクセンチュアだけが知識やリソースを持っていても、社会は変えられない。社外でも「連帯」を広げ、深め、私たちも他の企業から学ぶことで、社内もさらに活性化できればと思っています。

新島:プライドハウス東京は、団体・個人・企業・大使館などがセクターを超えて協働するプロジェクトで、私はアクセンチュアチームのリードを務めています。当初は「人は集まったけど、どうしよう?」という状態でしたが、そこはコンサルが本業である私たちの得意分野。デザインシンキングワークショップの開催や、ミッションステートメントの作成など、コラボレーションの仕組みづくりをサポートしています。

こうした取り組みに関わる中で、企業、NPOなどがそれぞれ「点」でやっていることを、地理的にも時間的にも「面」にして広げることで、社会の“まだら”な理解を深められるのでは、と感じています。

Yuji Nomura

ある社内コミッティのメンバーが「I&Dの根幹は、『自分さえ良ければそれでいい』と思わないこと」と言っていて、はっとしたんです。自分はL(レズビアン)であることが活動のきっかけになって、T(トランスジェンダー)やQ(クィア)についても活動の中で学ぶようになったけれど、それではまだ足りないと。同じように、障がい、人種、言語などさまざまな視点からculture of equality(平等な文化)について、もっと理解を深めたいと思っています。

あるポストカードと出会った、北欧の本屋を目指して

── 最後に、お二人が目指す、理想の社会を教えてください。

三原:究極のゴールは、私たちの活動自体がなくなること。

私にとって、I&D活動は「すべての人のスタートラインを揃える」ことなんです。その先にあるさまざまな選択肢を、みんながそれぞれ、自分の好きなように選べる社会になったら良いなと思います。

誰もが、それぞれに困っていることや課題を抱えている。その一人ひとりの「ストーリー」を前向きなアクションにつなげていく活動を、きちんとカタチにしていきたいですね。

新島:そうした先に、LGBTQの存在が当たり前、という社会を作れたらうれしいですよね。

以前フィンランドに行った時、地方都市にある昔ながらの本屋さんで、同性婚用の結婚祝いカードがなんの飾り気もなく「普通」に売っているのを見つけて。思わず自然と涙が出てきちゃったんです。特別な存在じゃなくて、「お父さんがゲイカップルなのは普通だし、叔母さんがクィアなのも、当たり前にあり得ること」みたいになったらいいなと思えました。

新島さんがフィンランドを訪れた際に出会った、同性婚用のポストカード
新島さんがフィンランドを訪れた際に出会った、同性婚用のポストカード
新島さん提供

LGBTQを含むマイノリティ性に対して、「自分は違うから...」と思ってしまうこともあると思います。でも、それはもしかしたらみなさんの家族、大事な友達のことかもしれない。そういう可能性に気づいてもらうきっかけを、生活のいろんな場面に作れる活動をしていきたいなと思います。

◇◇◇

「みなさんが、自分らしくいられる環境は?」

この問いへの答えの中に、より良い社会を作るためのアイデアがあるかもしれません。みなさんの声がカタチになり、つながりが生まれ、社会に変化を生むチカラになります。

▼ アクセンチュアのLGBTQの取り組みについてはこちら

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