ナワリヌイ氏、北極圏から皮肉とユーモアあふれるメッセージを発信

約3週間居場所不明とされていたナワリヌイ氏が、収容先から支援者らにメッセージを送った
ドイツ・ミュンヘンで開催された「バンビ賞」でステージに映し出されたアレクセイ・ナワリヌイ氏の映像(2023年11月16日)
ドイツ・ミュンヘンで開催された「バンビ賞」でステージに映し出されたアレクセイ・ナワリヌイ氏の映像(2023年11月16日)
picture alliance via Getty Images

北極圏の刑務所に移送されたことがわかったロシアの反政権活動家ナワリヌイ氏が12月26日、皮肉とユーモアを交えたメッセージをXに投稿した。

ナワリヌイ氏は自身の居場所と関連づけて「私はあなたの新しいサンタクロースです」とつづっている。

「羊の毛皮のコートを着て、ウシャンカ(耳あて付きの毛皮の帽子)をかぶっています。もうすぐバレンキ(ロシアの伝統的な冬の靴)を手に入れる予定です。20日間の移動でヒゲが伸びました」

「残念ながらトナカイはいませんが、ふわふわしたとても美しいシェパード犬がいます」

「私は『ホーホーホー』とは言いませんが、窓の外を見て『オーオーオー』と言っています」

ナワリヌイ氏は約3週間居場所不明とされていたが、支持者は12月25日、北極圏にあるヤマロ・ネネツ自治管区ハルプの刑務所に収容されていることがわかったと発表した。

ナワリヌイ氏の投稿によると、同氏はウラジーミル、モスクワ、チェリャビンスク、エカテリンブルク、キーロフ、ヴォルクタというルートで、ハルプに移送された。

投稿で「20日間の移動はかなり疲れたものの、サンタクロースにふさわしくまだご機嫌です」と述べ、元気であることを伝えている。

プーチン政権を批判してきたナワリヌイ氏は2020年、ロシア政府の関与が疑われる毒殺未遂事件に見舞われ、ドイツで治療を受けた。

療養を終えて2021年に帰国したロシアで身柄を拘束され、実刑判決を受けてモスクワ近郊のウラジミール州にある刑務所に収監されていた。

ナワリヌイ氏の支援者や弁護士は2023年12月初めに、同氏との連絡が途絶え所在が不明になっていると発表したが、すべての収容所を調べるなどして居場所を突き止めたと25日に伝えた。

この刑務所は「極地のオオカミ」と呼ばれ、ロシアで最も過酷な環境の刑務所のひとつとされている。支持者たちは「プーチン大統領は、2024年3月の大統領選に備えてナワリヌイ氏を遠ざけようと移送した」と主張している。

ナワリヌイ氏は、投稿で「僕がサンタクロースだから、プレゼントが気になるだろうね。でも、僕は特別なサンタクロースだから、とても悪いことをした人だけがプレゼントをもらえるんだ」というメッセージも伝えている。

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