【ウクライナ侵攻】お代は結構です。7億円の軍用ドローンを無償提供。トルコ企業がリトアニア人の熱意に応えた

リトアニアのメディアがウクライナに軍用ドローン「バイラクタルTB2」をプレゼントする資金を3日半で集めるも、製造元は「資金は人道支援に使って」と無償提供を決めました。
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ウクライナ南部のミコライウで軍人が「バイラクタルTB2」を移動させる様子(ロシア軍が侵攻する前の2021年6月30日撮影)
ウクライナ南部のミコライウで軍人が「バイラクタルTB2」を移動させる様子(ロシア軍が侵攻する前の2021年6月30日撮影)
Future Publishing via Getty Images

リトアニアの人々が約7億円の寄付金を集めて、ウクライナに軍用ドローン1機をプレゼントしようとしたが、製造元のトルコ企業は代金の受け取りをせず、無償で1機を提供することになった。集まった寄付金は「ウクライナの人道援助に使って」と促している。

■軍用ドローン「バイラクタル」がウクライナの救世主に。流行歌や動物の名前に使われるほどの人気

ウクライナ軍がロシア軍に反撃する上で大きな役割を果たしているのが、トルコ製の軍用ドローン「バイラクタルTB2」だ。製造元のバイカル社の公式サイトによると、全長6.5メートル、翼の幅は12メートルの無人航空機だ。レーザー誘導爆弾を搭載でき、遠隔操作や自動操縦を使って約27時間にわたって半径300キロ圏内を飛び続けることができる。

これまでにウクライナは36機を発注したと言われており、ロシアへの反撃に使われている。

CNNによると、バイカル社のトップは「最先端の地対空システムや先端的砲兵システム、装甲車を破壊することで意図された成果を上げている」と述べた。多大な戦果を受けて、ウクライナ国民の間ではバイラクタルを称賛する歌がSNSで流行。首都キーウの動物園では、キツネザルの赤ちゃんがバイラクタルと名付けられたという。

■リトアニアの放送局で購入資金7億円を寄付で集めたところ、トルコの製造元が無償提供へ

こうした中、バルト3国の一つであるリトアニアで、バイラクタルTB2を1機、寄付金で購入してウクライナにプレゼントしようというキャンペーンが生まれた。

ウクライナのニュースサイト「NV.ua」によると、リトアニアのネット放送局「Laisves TV」が5月25日、1機の購入費用として500万ユーロ(約7億円)の資金提供を視聴者に呼びかけたところ、わずか3日半で達成されたという。

これを知った製造元のバイカル社は、「名誉ある資金調達」として代金の受け取りをせず、無償でリトアニアに1機を寄付すると6月2日、公式Twitterで発表した

集まった資金はウクライナの人道援助に使うことを促している。

<リトアニアの人々は、ウクライナのためにバイラクタルTB2を購入するために名誉ある資金を調達しました。これを知ったバイカル社は、バイラクタルTB2をリトアニアに無償で贈呈するでしょう。集まった資金は人道援助のためにウクライナに送るように依頼します>

■リトアニア国防相が「トルコよ、ありがとう!」と感謝のメッセージ

リトアニアのアヌシャウスカス国防相も同日、公式Twitterで「信じられないことに、リトアニアが資金を集めていたバイラクタルをトルコが無償で提供してくれることに合意した!」と驚きの声を上げた。

集まった資金は、バイラクタルのために必要な弾薬購入のほかはウクライナの支援に向けられるとして、「トルコよ、ありがとう!」と結んでいる。

なお、ロシアはこれまでにバイラクタルTB2のウクライナへの提供についてトルコに不満を表明してきた。しかし、トルコ政府高官は、民間企業が販売したものであり、「国家間の取引ではない」と強調しているとロイター通信は報じている。