PRESENTED BY 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社

「この世界に病気を理解してくれる人は、果たしているのかな」

膿疱性乾癬患者さんが抱える“孤独”に光を当てる

提供:日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
監修:近畿大学医学部 皮膚科学教室 主任教授 大塚 篤司 先生

皮膚疾患の一種である膿疱性乾癬(のうほうせいかんせん)の患者さんは、皮膚がただれてしまうようなつらい身体症状だけでなく、ときには病名もわからないまま何か月も過ごすような、心のうちに大きな不安や孤独を抱えています。そんな患者さんの孤独に光を当て、社会に啓発、そして患者さんをサポートするプロジェクト「Illuminate Tomorrow」。そこに込められた思いとは。

今回お話をお伺いした膿疱性乾癬患者さん
今回お話をお伺いした膿疱性乾癬患者さん

膿疱性乾癬は、国から難病と指定される皮膚疾患です。全身の皮膚に膿疱が広がり、発熱や全身倦怠感も伴います1)。診断までに何か月もかかるケースもあり、患者さんは発疹や痛みなど身体のつらさもさることながら、心に広がる不安や孤独にも悩まされているかもしれません。

【膿疱性乾癬とは】
膿疱性乾癬は、乾癬という皮膚の病気のうち、発熱や倦怠感、皮膚の潮紅とともに無菌性の膿疱(うみを持った水疱)がたくさんあらわれるタイプの乾癬で1)2)、限局型(発疹・膿疱が身体の一部に出ている状態)と汎発型(発疹・膿疱が全身に広がっている状態)に分類されます。膿疱性乾癬(汎発型)は難治性であることや治療に急を要することなど から、厚生労働省が定める指定難病に指定されています3)。
詳しくはこちらのサイトをご覧ください。 https://www.gpphiroba.jp/

日本ベーリンガーインゲルハイムは2023年1月、膿疱性乾癬の患者さんが抱える孤独に光を当て、患者さんの未来までも明るく照らしたいという思いを込めた社会啓発プロジェクト「Illuminate Tomorrow」を始動しました。ここでは、プロジェクトの起点となった患者さんの思いをひもときます。

マサユキさん(55歳)
自分の思いは、外からは見えない。
マジックミラーの箱に閉じ込められたような孤独を感じていた

膿疱性乾癬を発症したのは22歳の頃です。乾癬の皮疹が全身に広がり始めて、どんどん悪化していきました。28歳で初めて診断が出て、膿疱性乾癬の治療が始まりました。

肌は全身、乾癬の皮疹に覆われ、倦怠感や微熱が常に続きました。急な高熱で入院したことも何度かありました。症状によって身体的につらいというのもありましたが、この病気について周囲にうまく伝えられない、理解してもらえないという精神的なつらさも、とても大きいものでした。

「このままずっと一生、この体のままで生きていくのかな」「この広い世界の中で、一体誰がこの病気を理解してくれるのかな」——その頃の私は、自分の心がマジックミラーの壁でできた箱の中に閉じ込められているような気分でした。自分が抱えているつらさや悲しみは、自分には見えているけれど、マジックミラーの外側からは見えない。そういう孤独を常に抱えていました。

幸い、主治医の先生には医学的な診断、治療を行うだけでなく、気持ちの面でも寄り添ってケアしていただけたのがとても嬉しかったです。また患者会で同じ苦しみをもつ仲間に出会うことができ、やっと理解してくれる人に出会えたという思いも、大きな助けになりました。

ミカさん(43歳)
憤り、やるせなさ、無力感、悲しみ……
いろんな感情を押し殺しながら治療を続けていた

私が膿疱性乾癬を発症したのは39歳のときで、何の前触れもなく見慣れない発疹が出ました。最初は「とびひ」と診断され、すぐ治るだろうと思っていたらみるみるうちに発疹が両腕に広がり、なかなか治りませんでした。症状の痛みやつらさはあったのですが、早く直して仕事に復帰したい、子どもの世話もしなければ……と、とにかく早く治さなきゃという焦りの気持ちでいっぱいでした。

そこから診断がつくまでには数か月かかりました。これから自分がどうなるのか、症状がどこまで悪くなるのかわからない状態は精神的にもきつく、その頃が一番つらかったです。

膿疱性乾癬の診断が出たのは、発症から5か月ほど経ってようやくのことです。そのときには心からほっとして、これから良くなっていくはずだという希望が持てました。でも、その後も一時止まっていた症状がまた悪化してきました。その頃にはもう疲れ果てていて、期待や希望を持つことすら嫌になってしまって……憤り、やるせなさ、無力感、悲しみ、いろんな感情を押し殺しながら、機械的に病院に通い薬を塗るという治療を続けていました。

そういう生活が数か月続いて、諦めていた頃に薬の効果があらわれてきました。少しずつ良くなってきたときには、もう信じられないような、本当に嬉しい気持ちでした。でもやはりその後も症状が再燃したり、それまでなかった症状が出てくるようになったりして、不安と、治療が効いてくる嬉しさが入り混じったような時期が続きました。

家族や友人には、家事を手伝ってもらったり子どもの世話をしてもらって、実質的にはとても助かっていましたが、苦しい中で気持ちを切り替えられることはほとんどありませんでした。主治医の先生や患者会で同じ病気に苦しむ仲間に出会えて、ようやく「わかってもらえた」と気持ちがほぐれるような嬉しい気持ちになりました。

***

ドイツに本拠地を置く世界最大規模の製薬企業、ベーリンガーインゲルハイム。その日本法人である日本ベーリンガーインゲルハイムは、患者さんの声を聞いて企業活動に活かす“Patient Centricity”の取り組みの一つとして、NFTを活用した膿疱性乾癬の患者さんの未来を照らす、デジタルアートプロジェクト『Illuminate Tomorrow』を始動しました。

「患者さんとその未来をIlluminateしたい」。そんな想いから、光を照らす象徴である「ランタン」をシンボルにしたデジタルアート。NFTを融合したメタバース開発ソリューションを提供するAnifie Inc.と、グラミー賞受賞プロデューサー「ジョン・エッチェン」率いるクリエイティブチームがタッグを組み、乾癬の社会的認知度の向上と正しい情報の啓発普及を目指す一般社団法人INSPIRE JAPAN WPD様のご協力を得て、企画立案、デジタルアート制作を行いました。

参加者誰もがそのランタンをサイト上で灯すことでご参加いただけます。たくさんの人にランタンを灯していただくことで、暗い荒野であったWEB空間が、どんどん明るく照らし出されていきます。

ランタンを灯すプロジェクトには、こちらから参加できます。
プロジェクトサイトURL https://illuminate-tomorrow.com/

参考文献
1)難病情報センター. 膿疱性乾癬(汎発型)(指定難病37) https://www.nanbyou.or.jp/entry/168
2)清水宏. あたらしい皮膚科学第3版. 東京: 中山書店; 2018.
3)難病情報センター. 膿疱性乾癬(汎発型)(指定難病37) https://www.nanbyou.or.jp/entry/313

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