中国の四川省・成都の小学校で、カビだらけの肉や腐ったトマトなど、腐敗した食材が給食用に提供されていたことがSNSで明らかにされた。
3月13日、現地では大規模な抗議活動に発展し、公安当局が12人を一時拘束した。
■発端は暴露
中国青年網などによると、きっかけは児童の保護者が中国のSNS・微博(ウェイボー)に投稿した写真。
成都にある「成都七中実験学校」の食堂の衛生状態が劣悪だと訴えるもので、白いカビと黒い斑点に覆われた冷凍肉や、腐敗が始まっているトマトなどが映っていた。
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この投稿がネットで拡散されると、保護者の怒りが爆発。「校長はこれを食べられるのか?自分の子供に与えられるのか?」など批判が相次いだ。
地元当局もこの事態を把握し、食材を供給していた卸業者との取引を打ち切ることを決めたほか、問題の食品の検査を実施し、責任者8名の処分を検討するなど火消しに努めた。
■警官隊ともみ合う姿
しかし、保護者や住民たちの怒りは収まらず、街中で地元政府や学校への抗議活動を展開した。
これに対し、地元の公安当局が出動。発表によると「車両の往来を妨害するなどして社会の秩序を乱した」などとして12人が拘束された。拘束する際には催涙スプレーも使用された。拘束された人たちはその後釈放されたという。
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ネット上には抗議活動の際に撮影したとみられる動画が複数、アップロードされていて、警官隊ともみ合う様子や、住民の横断幕を警察官が剥ぎ取る様子などが収められている。
■36人が異常訴える
地元当局の発表によると、これまでに少なくとも36人の児童が体の異常を訴えて病院を受診している。入院した児童はいないとしている。
地元当局は3月14日、管轄内の全ての幼稚園や学校の食堂を検査し、メディアや保護者に積極的に情報を開示するとした方針を新たに示すなど、対応に追われている。