低緯度のコロラド州で見えたオーロラ(動画)

オーロラは通常、グリーンランドやアイスランド、スウェーデンといった極地近くで観察される。けれども、10月1日深夜から2日早朝にかけて、コロラド州の住民はこの珍しい夜空の美を楽しむことができた。

オーロラは通常、グリーンランドやアイスランド、スウェーデンといった極地近くで観察される。けれども、10月1日深夜から2日早朝にかけて、コロラド州の住民はこの珍しい夜空の美を楽しむことができた。

ライアン・シェパード氏は、コロラド州ブリッグズデールで、オーロラを微速度撮影することに成功した。

シェパード氏は、デンバーのSilver Lining Tours社でガイドとして働きながら、写真を撮影し、竜巻を追跡するストームチェイサーとしても活動している人物だ。シェパード氏は、米ハフィントン・ポストへの電子メールで、撮影の様子を説明してくれた。

「昨晩はNOAAのサイトで、磁気K指数(Kp指数)(3時間の間に起こる最大地磁気擾乱を示す数値。最小値0から最大値9まで)が6以上だとわかったので、わたしは急いで出かけた。理想の時間帯よりほんの少し遅かったが、まだ時間はあった」と、シェパード氏は述べる。

「コロラド州で最も夜空が暗い地域は北東部にある。そうした地域は、光害が少なく、夜空が暗い地域を探すことができるウェブサイト『darkskyfinder』(ダークスカイ・ファインダー)で見つけることができる。だからわたしは、州道14号線(CO14)をグリーリーからブリッグズデールへ向かった。州間道路392号線との交差点で北へ曲がると、遠くに風力発電基地が見えてきて、わたしはそこへ向かった。空を背景に遠近感を感じさせる素晴らしい被写体になることを知っていたからだ」

「デジタル一眼レフカメラ(DSLR)はオーロラの光を、肉眼よりもはるかに鮮明に捉える。肉眼でオーロラの光を見るのは、人工光による光害が少しでもあるときはきわめて難しい」

「オーロラの存在がわかるのは普通、『光の柱』と呼ばれるかすかな白い光線が見えた場合だ。わたしも昨晩これを見た。同時に流星雨も、5分ごとくらいに降り注いでいた。昨晩はそれほど寒くはなく、夜空を観察するにはもってこいの夜だった。わたしがコロラド州でオーロラを捉えたのはこれが3回目だが、間違いなく過去最高の映像が撮影できた」

コロラド州デンバーの緯度は、日本の盛岡、秋田とほぼ同じ、北緯39度30分。肉眼で見えないものも含めれば、比較的低緯度にある日本でも、磁気嵐の時にはオーロラが比較的頻繁に起きている。最古の記述は、日本書紀にある「赤気(せっき)とされる。北海道で北の空を染める赤いオーロラを見た住民が山火事と勘違いして消防車が出動した記録や、新潟県で、日本海上空が赤く輝く様子を見て、火事ではないかと巡視船を出す騒ぎになったこともある。世界各地のオーロラ観測が可能な機会について詳しく解説する日本語サイトはこちら

[(English) 日本語版: 松田貴美子、合原弘子/ガリレオ]

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